|
▼USHISUKEさん:
最近、中国史から遠ざかっているうえに決定的な証拠もないのでたいした回答になりませんが・・・・・・。
『孫子算経』という昔の中国の算数書に“漢晋間人撰”として(よって三国志の時代とは事情が違うかもしれませんが)「今有錦一匹、直銭一萬八千(錦一匹の値は18,000銭)」とあり、同じく「今有買絹一匹、直粟三斛五斗七升」とあります。穀物の値段は騰落が激しいので一概には言えませんが、絹一匹がだいたい350〜500銭くらいではないでしょうか。
ただ、ひとくちに布帛といっても中絹・下絹など品質でランクがついている時代があり、また素や錦・縑・紗・綺など織り方の違うものがあり、すべてに違う値がついています。
蜀錦がかなりの高級品で珍重されたことは確かですが、補助貨幣として用いられていたかはわかりませんし、仮にそうであっても穀物価の変動で大きく値を崩すこともあったと考えられます。
蛇足になりますが、同じ物品でも所変われば値も変わるのが当然であり(でないと交易・貿易が成り立ちませんので)、諸葛亮が「決戦の資、ただ錦あるのみ」(だったかな?)と言っているのは相当ヤバイ状況だと思います。
書籍やブログなどでよく「蜀は経済立国」「蜀は経済力に優れ・・・」云々と見かけますが、もう少し懐疑的に見る必要があるのではないかと思います。
以上、ほんまの蛇足で失礼しました。
|
|