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▼TMKさん:
>小説では、孫権が主役に近い形で取り上げられている
>『呉・三国志』(集英社 作者:伴野朗)があります。
>厳密には主役ではないかもしれませんが(全体として主役的な書かれ方をして
>いるのは、孫権の弟の孫朗です)、正史に見える孫権のエピソードで重要なもの、
>有名なものは殆ど取り上げて書かれておりますし、創作されたエピソードも
>幾つかありますので、こちらを読むと正史に近い形の孫権の人間像や人間的魅力が
>かなり掴めると思います。
>ハードカバー版(全五巻)では各1800円と少しお高めですが、
>現在、文庫版も刊行中で、こちらの方が手に入り易く、お勧めです。
>孫権意外にも、話の始め頃は孫堅・孫策が主役でしたり、呉の人も正史に
>基づいて、贔屓なく客観的に書かれているように思えますので、呉が
>好きな方は楽しめるのではないかと思います。
はじめまして、TMKさん。
紹介していただき、ありがとうございます(全然迷惑でないです)。
伴野朗氏の三国志は本屋でよく見かけますが、未読です(ちなみに北方三国志もまだちゃんと読んでません)。
孫朗が語り手ということでしょうか?
『呉・三国志』ということは、あとで魏や蜀も刊行予定という感じもしますね(違います?)。
伴野朗氏といえば『孫策の死』(集英社文庫)は読みましたが、たしか干吉に呪い殺される話で、これはどうも……。
でも正史準拠であれば、面白そうです。
孫堅・孫策が早世ですから、まとめて小説にするしかないのかな?
孫権は長命でしたが、戦場で華々しく活躍した印象はあまりないですから、小説にしにくそうです。
ところで【呉書見聞】にも書かれていましたが、孫権の碧眼はどこからきたのでしょうか?
紫髯ですし。混血だったんでしょうか?
同母兄の孫策の容姿とも違う気がしますけど。
>資料関連では、集英社文庫の『人間三国志 覇者の条件』(著者:林田慎之助)
>が、正史準拠で孫権の人間像や足跡が簡潔に纏められていて、読み易く
>わかり易かったです。正史準拠で詳しく孫権の解説がなされている本は、
>私は今のところ、この本しか知りません^^;(探せば、他にもあるとは
>思うのですが…)文庫本で値段も高くありませんし、勿論孫権以外に
>曹操・劉備についての解説も収録されていますので、三君主について
>興味がお有りでしたら、なお楽しめると思います。
この人は、知りませんでした。
シリーズになってるようですね。
今度、まとめて読んでみます。
孫権は、中原にも天下統一にもあまり興味がなかったみたいなので、商業誌に載せようとするとなると難しいのでしょうか?
その代わりに、孫呉関連のサイトはすごく充実してるように思えますけど。
まあ、私は演義の孔明ファンですから、演義派と言えば演義派ですが……。
祈祷して十二年長生きすれば、漢室は再興するものと思ってましたし(笑)。
でも、今さら演義のことを褒めても仕方ないですので、孔明批判の孫呉小説の紹介を一冊。
孫呉好きの方々はもうご存知かもしれませんが、藤水名子著『赤壁の宴』(講談社文庫)は、周瑜が主人公なんですが、周瑜と孫策との絆を強調するあまり、他の人たちはケチョンケチョンです。孔明が周瑜の奥さんの話を持ち出した時なんか「下種な男」「腐れ外道のような男」とありました。もっとも周瑜の心理を描写してるだけですから、単に周瑜の口が悪いだけ、という感じもしますけど……。周瑜の心に抱く悪態は、痛烈でそれほど嫌味がなく、(良書かどうかはわかりませんが)面白いです。
ただ演義は火薬と伏兵が多い気がしますが、赤壁の戦いのあたりだけは、(たとえ正史派でも)演義を越える面白い小説はできないのではないでしょうか?
しかも吉川英治氏が、うまくアレンジして大衆化しちゃいましたし。
それから、シャレで少女マンガの紹介を一つ。
滝口琳々著『江東の暁』(秋田書店、全二巻)というのが、少年時代の孫策と周瑜を主人公にしたマンガです。
少女マンガに抵抗がなくて古本屋とかで見かけましたら、読んでみてはいかがでしょうか?
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