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劉備という群雄の腹心に、関羽という将軍がいました。
主君である劉備とは義兄弟の契りを結んだ仲であり、同じく弟分の豪傑張飛と共に、
「一人で一万人の兵士に相当する」と言われるほど勇名が轟いていました。
ある日、敵方の曹操という将軍が劉備に攻め入り、あえなく主従は散り散りになってしまいます。曹操は関羽の武勇を元々買っていたので、自分の下に降伏しないかと持ちかけます。
関羽は、
「主君の劉備様の居所が分かればたちどころに帰らせて頂きます」
という条件の元、曹操に一旦降伏します。
曹操は宝物や美女などを与え、なんとか劉備の事を忘れて自分に心服してくれないかと熱を入れましたが、関羽はそれらの全てを固辞して受け取りませんでした。
そんな在る時、ついに劉備の行方がわかりました。
その頃曹操の下で敵将を大いに討ち、充分に恩を返したと見た関羽は劉備の下へ舞い戻る決意をします。
当の曹操自身は最初は惜しみながらも、快く送り出そうとしたのですが、
「劉備の下へ関羽を行かせてはならない」
と考えた曹操の部下が妨害を関羽にしかけてくるのですが、それをことごとく突破して、無事劉備の下へ戻ってこれた、というのが「単騎千里行」のあらましです。
京劇でも有名なお話で、とても大向こう受けのするお話だそうです。
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