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普通の,というか高級官僚予備軍は,孝廉からはじまるので,そういった秩石によって,基本,三〜五年の任期で昇進していきます。
ただ史料に残るような高級官僚になると,六百石から二千石・比二千石に昇進することもあります。
あと就官時の年齢と関係があると思われます。例えば二十歳前後で孝廉に察挙されたり,若い頃から任子(父任)によって郎中になってる場合などは,比三百石から比四百石もしくは四百石に遷りますが,五十すぎの場合などは県令レベルの千石に遷る場合もあります。高齢でも郎中止まりの場合もあります。この辺は年齢+αでしょう。+αが何か解明できれば,学術論文一本書けるでしょう。多分,名望とか名声とか,豪族性だとか何だとか,そういうテーマと関係するものになるでしょう。
あとは,それ以外の人事制度がいくつかあります。茂才の場合は郎中とばして県令・県長に遷れる分,より有利ですし,もっと反則的な人事制度も存在します。その辺の概要についても先に載せた論文を参照されると良いでしょう。
特に前漢後漢は,そういった制度面が厳格に運用されていたようですから,任期とその功次昇進の過程は把握しておいて損はないですし,大半はその制度通りと見てよいでしょう。
残念ながら,古代史において史料として現在に残るような類の人というは超高級官僚ですから,その制度の枠外にあるのも見受けられます。
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