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【3292】へるぷ ペテン師 2008/12/12(金) 18:54 ♪

【3327】Re:へるぷ 清岡美津夫 2009/1/4(日) 1:40

【3327】Re:へるぷ
 清岡美津夫 E-MAILWEB  - 2009/1/4(日) 1:40 -

引用なし
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   ▼ペテン師さん:
>蜀の荊州失陥前
>
>襄陽太守が関羽だったハズなんですが、関羽は樊城攻略時に襄陽を包囲しています。
>関羽の襄陽太守就任は遙地だったのでしょうか?それとも漢中や盧江みたいに魏と蜀、魏と呉という感じで二分されていたのでしょうか?
>
>もし二分されていたとするならば蜀の襄陽郡の拠点はどこだったのでしょうか?

 こんばんわ。
 「襄陽郡ってあったの?」と思うぐらい、そのあたりに先入観はなく、それと言って広く史書の記述を当たったわけじゃないんですが、以下、誰かが書き込むきっかけになると幸いです。

 『晋書』地理志によると、

後漢獻帝建安十三年、魏武盡得荊州之地、分南郡以北立襄陽郡、又分南陽西界立南郷郡、分枝江以西立臨江郡。及敗於赤壁、南郡以南屬呉、呉後遂與蜀分荊州。於是南郡・零陵・武陵以西為蜀、江夏・桂陽・長沙三郡為呉、南陽・襄陽・南郷三郡為魏。而荊州之名、南北雙立。

<清岡による訳>
後漢献帝の建安十三年、魏武は荊州の地を尽く得て、南郡を分け、以北に襄陽郡を立て、また南陽の西界を分け南郷郡を立て、枝江で分け以西に臨江郡を立てた。赤壁において敗れるにおよび、南郡の以南を呉に属し、呉は蜀に与え荊州を分けることを後に遂げた。これにより南郡・零陵・武陵の以西を蜀となし、江夏・桂陽・長沙の三郡を呉となし、南陽・襄陽・南郷の三郡を魏とした。こうして荊州の名は南北で双立した。

となっています。『晋書』地理志の見解だと、蜀は襄陽郡を持っていないですね。これに従うと関羽は遙領していたことになりますね。
 それで関羽が襄陽太守になった経緯は、『三国志』蜀書関羽伝によると、

孫權遣兵佐先主拒曹公、曹公引軍退歸。先主收江南諸郡、乃封拜元勳、以羽為襄陽太守・盪寇將軍、駐江北。

<清岡による訳>
孫権が兵を遣って、先主をたすけ曹公を拒み、曹公は軍を引き退き帰った。先主は江の南の諸郡を収め、乃ち元勳に封拝し、関羽を襄陽太守・盪寇将軍にし、江の北に駐屯させた。

となっており、江水の南の諸郡を収めたとあるのに江水の北に駐屯しているんですね。
 具体的にどこに駐屯しているか、と言うと、同時期の『三国志』呉書呉主伝での記述だと、

備・瑜等復追至南郡、曹公遂北還、留曹仁・徐晃於江陵、使樂進守襄陽。(中略)十四年、瑜・仁相守歳餘、所殺傷甚衆。仁委城走。權以瑜為南郡太守。劉備表權行車騎將軍、領徐州牧。備領荊州牧、屯公安。

<清岡による訳>
劉備と周瑜らは復追し南郡に至り、曹公はついに北へ還り、曹仁・徐晃を江陵に留め、楽進を襄陽に守らせた。(中略)建安十四年、周瑜と曹仁は一年余り互いに守り、殺傷するところ甚大になった。曹仁は城を捨て逃走した。孫権は周瑜を南郡太守にした。劉備は上表し孫権に車騎将軍を行わせ徐州牧を領させた。劉備は荊州牧を領し、公安に駐屯した。

となっており、襄陽城はすでに曹操側にあって、江陵と違ってその後、所有が移ったという記述はないので除外し、公安あたりが該当するのかな、と思いました。でも『中国歴史地図集』で場所を確認すると公安は江水の南側にあるんですね。
 時代が下って、同じく『三国志』呉書呉主伝の記述だと、

(建安二十四年)關羽還當陽、西保麥城。

<清岡による訳>
(建安二十四年)関羽は当陽に帰り、麦城を西保した。

とあるんで、関羽は江水の北にある当陽を駐屯にしていたのかな、と思いました(と前後関係をあまり読んでいませんが)。
 でも『三国志』魏書満寵伝によると

建安十三年、從太祖征荊州。大軍還、留寵行奮威將軍、屯當陽。孫權數擾東陲、復召寵還為汝南太守、賜爵關内侯。

<清岡による訳>
建安十三年、(満寵は)太祖に従い荊州を征した。大軍は還り、満寵を留め奮威将軍を行わせ、当陽に駐屯させた。孫権は東のほとりを数度、乱し、再び満寵を召し還し汝南太守にし、関内侯を賜爵した。

となっているのが引っかかります。ここの孫権の動きは建安十三年に合肥を攻めたことであり、早々に満寵は還ったんでしょうかね。

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