初心者向けメモ:『三国志』攻略法4

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※この記事は半分ネタなのでタイトルにある「初心者向け」を真に受けないようご注意してください。全6回予定。


Step 3からの続き≫

 Step 3でいよいよ『三国志』の攻略にとりかかったのだけど、それが正解なのかは初心者ならば特に判断に迷うところだろう。
 そこで参考となる攻略本を挙げていく。


●Step 4 日本語訳を参考にしよう。

 初心者向けということで、まず図書館を利用することを前提に、攻略本として『三国志』の日本語訳の書籍を紹介する。
 全訳は筑摩書房から二種類、出ており、部分訳は徳間書店から二種類ほど、出ている。また、全面に『三国志』を教材とした、部分訳の載る教科書は白帝社から出ている。

・筑摩書房
http://www.chikumashobo.co.jp/

・徳間書店
http://www.tokuma.jp/

・白帝社
http://www.hakuteisha.co.jp/


 まず筑摩書房から出版されている『三国志』全訳の書籍二種類の情報を以下に挙げる。この情報を元に、まずいくつか近くの図書館のサイトへアクセスし蔵書検索で確認し、借り出して欲しい。

・筑摩書房

書名 世界古典文学全集 24 三国志
巻数 全3冊 24A~24C I~III
訳者 I 今鷹 真、井波 律子、II 今鷹 真(他)、III 小南 一郎
ISBN I 4-480-20324-9、II 4-480-20352-4、III 4-480-20354-0、3冊セット 4-480-20399-0

書名 正史三国志
巻数 全8冊 1~9 (魏書1~4、蜀書、呉書1~3)
訳者 1~2 今鷹 真、井波 律子、3 今鷹 真、4 今鷹 真、小南 一郎、5 井波 律子、6~8 小南 一郎
ISBN (1) 4-480-08041-4、(2) 4-480-08042-2、(3) 4-480-08043-0、(4) 4-480-08044-9、(5) 4-480-08045-7、(6) 4-480-08046-5、(7) 4-480-08088-0、(8) 4-480-08089-9、全8冊セット 4-480-08040-6


 その次に徳間書店から出版されている『三国志』部分訳の書籍二種類の情報を以下に挙げる。これら二つの文献は先の二つの文献と違い、全訳ではないが、原文、書き下し、日本語訳が書かれてあある。原文から日本語訳に至る途中の過程である書き下しは、漢文訓読法に慣れている人にとって攻略の参考になるだろう。

・徳間書店

書名 三国志
巻数 全6冊 1 転形期の軌跡、2 覇者の行動学、3 自立への構想、4 完結なき世界、5 不服従の思想、別巻 競いあう個性
監修 松枝 茂夫、立間 祥介
訳者 1 丸山松幸、中村愿、2 和田武司、大石智良、3 市川宏、山谷弘之、4 守屋洋、竹内良雄、5 花村豊生、丹羽隼兵、別巻 大石智良、竹内良雄

書名 正史三国志英傑伝
巻数 全4冊 1 起つ : 魏書・上、2 成る. 魏書・下、3 貫く : 蜀書、4 拠る : 呉書
編訳 『中国の思想』刊行委員会
ISBN (1) 4-19-860063-5、(2) 4-19-860074-0、(3) 4-19-860086-4、(4) 4-19-860097-X


 次が白帝社から出版されている、『三国志』を題材とした教科書を以下に挙げる。こちらは漢文訓読法を重視した内容となっている。

・白帝社

書名 漢文講読テキスト 三国志
編者 三国志学会
監修 石井仁、渡邉義浩、津田資久、伊藤晋太郎、田中靖彦
ISBNコード 978-4-89174-891-3


 五つの訳本を挙げたんだけど、ここで余談ながら蔵書検索について注意すべき点を書いておこう。
 五つの訳本のうち、二つが単に「三国志」とせず、お節介にも『正史三国志』『正史三国志英傑伝』というタイトルにしている理由はおそらく、自らの著作・創作物に「三国志」と名付ける、いわゆる自称「三国志」や、白話小説である『三国演義』などを「三国志」と称する、いわゆる他称「三国志」が横行しており、それらと『三国志』とを明確に区別する意図があるためだろう。後者の他称「三国志」は日常レベルでも見られることであり、例えばアーケードゲームの『三国志大戦3』に対し「アミューズメントパークに行って三国志をする」や、家庭用ゲームの『真・三国無双5』に対し「PS3の三国志5の赤兎馬の出し方を教えて下さい」や、玩具の『BB戦士 三国伝』に対し「次のカンダムの三国志のPVを店頭へ見に行く」などの言動に遭遇することがある。
 このように自称「三国志」や他称「三国志」が氾濫している現状であるため、もはや「三国志」というキーワードだけで蔵書検索を行っても『三国志』の訳本をすんなり探し出すことができない。そのため、蔵書検索に際し、先に挙げた五つの訳本の情報と照合すれば良いだろう。

 またパソコンでネットにアクセスできる環境であれば、下記のサイト「漢籍完訳プロジェクトIMAGINE」で『三国志』の訳を参照することが一例として挙げられる。

・漢籍完訳プロジェクトIMAGINE
http://www.project-imagine.org/


 ここで、先に挙げた五つの訳本のうち二つが全訳であり、全訳の書籍を手元に置いておけば、Step 3で触れた方法を使わずとも、『三国志』の攻略ができるのではないか、という疑問を持たれることだろう。
 しかし、訳は漢字一つ一つが持つ多くの意味を訳者により一つの意味に固定する行為であり、訳者の解釈が大きく反映されるため、そのまま『三国志』の攻略に繋げるのではなく、Step 3でのパターンを見極める参考程度に留めておくのが無難であろう。また、訳では漢字を無理に現在の日本の言葉にしている場合が多いため、『三国志』で使われている語句への感覚を失う結果となり、その後の『三国志』の攻略の弊害となる。
 一例を挙げると、上で正座する、あるいは上で寝るという二つの用途がある台に「牀」と呼ばれる物があり、筑摩書房の『世界古典文学全集 24B 三国志II』の一部では「牀」を「寝台」と機械的に訳している。そのため、『三国志』蜀書[广龍]統伝の注に引く『襄陽記』の訳は「孔明はその家を訪れるといつもただ一人寝台の下に額(ぬか)ずいて挨拶したが、徳公はまったく止めようとはしなかった。」となり、意味の通じにくいものとなっている。


 以上によりStep 3での『三国志』を攻略した結果をチェックするための攻略本を紹介したということでStep 4は終了となる。
 ここまでで『三国志』を攻略することができるようになったが、かといってモチベーションを維持する観点から『三国志』の初めから終わりまで順々に読むことをお勧めしない。
 ということでStep 5ではどのような指針で『三国志』を攻略していくか、いくつか提案する。


Step 5へ続く≫
http://cte.main.jp/newsch/article.php/941