中国歴史・文化地理図冊

『中国歴史・文化地理図冊』(右側)。ご覧のように大きい本なのだ。 三国志関連の地理を見ようとして役立つ定番なのが、譚其驤/主編『中国歴史地図集』の第二冊(秦・西漢・東漢時期)、第三冊(三国・西晋時期)。当時の川の位置まで書かれているんだけど、道の位置は現在の中国のが描かれているが当時のは描かれていない。

・三国志 地図
http://cte.main.jp/newsch/article.php/242

 それで四年ぐらい前に当時の道の位置が知りたい、なんて話していたら、白崎ゆきとさんが「三国志ファンのためのサポート掲示板」で教えてくれた。それが下記のツリー…とツリーの本題から逸れて居るんだけど、私にとってとてもありがたい話。

・正史 三国志の翻訳について
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=285

それで教えて貰ったのは

中国歴史・文化地理図冊
陳正祥
原書房
昭和57年
定価28,000円

という本。秦や前漢の交通路(関や県城の位置含む)以外にも水系や前漢の塩・鉄・工官が描かれている地図もあったりする。

 上記ツリーにも書かれているように当時は呉会あたりの交通路が知りたかったんだけど、呉→銭唐→山陰(会稽)と一本道と単純だったので役に立たず、とりあえず個人的にスキャン画像として保管していた。
 最近、皇甫嵩の黄巾討伐や韓遂の三輔侵攻などがでてくる趣味の小説を書いていて、その際、この本が参考になったのでここで紹介してみる。ただこの本がどういう研究をバックボーンにしているとか全然、知らないんだけどね。


※追記 第39回 秋の古本まつり(京都古書研究会2015年10月30日-11月3日)

※追記 メモ:巴と蜀と(2016年2月20日)
http://cte.main.jp/newsch/article.php/637