宮城谷昌光/著『三国志』第十二巻(2013年9月14日)

※前巻 宮城谷昌光/著『三国志』第十一巻(2012年9月15日)

下記出版社サイトによると、まるで陳寿の歴史書からその名前を奪うかのように自作の小説を『三国志』と名付けたのに、作中の地の文で史書の陳寿『三国志』から引いてくることでお馴染みの宮城谷昌光/著『三国志』(小説)の単行本12巻(ISBN9784163824406)が1733円で2013年9月14日土曜日に発売するという。今回で最終巻だ。

・文藝春秋
http://www.bunshun.co.jp/


月刊誌『文藝春秋』2013年7月号でようやく連載が終わった作品だ。

※関連記事 宮城谷昌光『三国志』最終回(2013年6月10日)

上記出版社サイトの該当ページから下記へ「内容紹介」を引用する。

━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前代未聞の宮城谷『三国志』、堂々の完結!

曹操の祖父は宦官だった――かつてない地点から始まった宮城谷版『三国志』。最終巻の今回は蜀の滅亡=三国時代の終焉が描かれます。
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

上記の引用した内容紹介文を見る限り、21世紀に入ってからの創作なのに、歴史書と同名にするに飽きたらず、その同名の歴史書の記載のないところから始めて、その同名の歴史書では三国呉の滅亡と西晋の三国統一まで記載があるというのに、加えてその歴史書と同名にしておきながら、それより17年も前の蜀の滅亡で終わらせるという不敬に不敬を重ねる創作をされている。

※関連記事 三国統一(280年3月15日)

そういった状況なので、現状、『後漢書』や『三国志』の訳本はあるが『晋書』の訳本がなく、三国呉の滅亡まで描くと『三国志』訳本の参照だけでは不都合になるから蜀の滅亡で終えたんじゃないかな、と自然に邪推してしまう。

話を戻し「三国志ニュース」で紹介し始めた分、2007年9月14日発売単行本第六巻(下記関連記事)から毎年9月中旬の発売なもので、今回もそれを予期し出版社サイトをチェックしていた。

※関連記事 宮城谷昌光/著『三国志 第六巻』(2007年9月14日発売)

※追記 宮城谷昌光/著『三国志』文庫第九巻(2013年10月10日)
http://cte.main.jp/newsch/article.php/2874