|
▼R・Fさん:
>正史「武帝記」の註に「太祖は一名を吉利といい、小字を阿瞞といった」とあります。
>「吉利」の意味は良くわからないのですが、陳舜臣氏の関連の小説では、余り良くない意味であると書かれています。「小字を阿瞞」については、私は「嘘吐き小僧」という意味に解釈していました。
こんにちわ、清岡です。
『CD-ROM版 字通』の「瞞」のところの「形声」の項目によると、
全体の文様が繁縟(はんじよく)な状態で、目にまぎれることをいう。それで瞞とは、目がかげって、鮮明に見るをえないこと、まぎれて欺かれる意となる。〔説文〕四上に「平目なり」とあるも文意が明らかでなく、〔繋伝〕に「目の瞼(まぶた)低(た)るるなり」とは、見ることのくらい意であろう。満幅の文飾が目をあざむくので、瞞著のようにいう。
となっていて、文中の〔説文〕とは「長く文字学の聖典とされた」(※字通付録の書名・作者解説より)、漢の許慎『説文解字』であり、〔繋伝〕とはその校定本の宋の徐[金皆]『説文解字繋伝』であり、そのままだとどちらも身体的特徴を示したものとなっていますね(ここらへんすでに[#3260]でも触れられていますね)。
でも言われてみれば「小字阿瞞」となっているのは『曹瞞伝』までぐらいしか辿れないですね。
|
|