|
▼ピースさん:
> 皆様はじめまして。ピースと申します。
>初めてこの掲示板で質問させていただきます。
>よろしくお願いいたします。
こちらこそはじめまして。多少、中国学をかじり、現在では
技術者をやりながら細々と研究を続けているものです。
> 早速ですが、私は大学での卒業論文のテーマ
>を「三国志」にしようと考えております。三国
>志を心理学的側面から捉え、今まであまり行わ
>れていないような研究をし、これからの三国志
>研究に貢献していきたいと考えているからです。
本題とは多少ずれますが、それは三国時代を三国時代終了(280年)の40年後に
誕生した唯識学(仏教心理学)とかそういう観点から捉える、
ということなのでしょうか?非常におもしろそうですね。これまでに
ない視点ですね。
> そこで皆さんのに質問です。
>1、三国志についての論文が載っている書籍は
> 存在するのでしょうか?もし存在するよう
> でしたら、その本について詳しく教えてい
> ただけないでしょうか。
三国志研究要覧は図書館で結構見ますね。要覧は良著だと思いますが、
かなりレベルの低い論文以外の本も含まれていますので、ご注意を。
論文に一般書を引用するとやはり、さしさわりがあるので。
>2、三国志についての研究を進めていくうえで
> 参考になるような書籍はありますか?あれ
> ば教えていただけないでしょうか?
>
宮崎市定先生の『九品官人法の研究』(中公文庫)は、この分野の
金字塔というべき必読書です。難解な本ではありますが、三国志で卒論を
書くのなら一度は読まれることをお薦めします。本論がむずかしいのなら、せめてはしがきと緒論の三国時代までの部分だけでも読んでみて下さい。
同じ宮崎先生の『大唐帝国』(中公文庫)はそれより遥かにやさしく書かれていますが、これもまた名著です。実はこの二冊は歴史学的な三国時代研究の出発点というべき本でして、この本を土台にしたうえでほかの本を読むのがよいかと思います。
なお、ちくま文庫の正史三国志、あれは誤訳が多々あり、日本語訳としてもなっていません。ダメな本です。絶対に参考にしないでくださいね。
本当は漢文で読むのが一番いいですが、なかなか難しいと思いますので、手引きとなる書物をあげておきます。
・『正史三国志英傑伝』(徳間書店、原文及び書き下しを付し、訳も非常に流麗)
・吉川幸次郎「漢文の話」筑摩書房
以上です。卒論は学生最後の思い出になります。全力で取り組んでほしいなあと
思いまして、かなりハードルを高くしてお話致しました。
|
|