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▼清岡美津夫さん:
最初に読んだのは、漫画家の巨匠、横山光輝氏の『三国志』でした。
三国演義での孔明の超人的能力には、ハマりました。
その後は、演義準拠の『三国志』(少年少女学術文庫、著者は忘れました)。
関羽、張飛が殺され、劉備が病死した時、勧善懲悪を信じていた私は、すごいショックを受けました。
孔明の北伐も成功しなかったし……。
葫蘆谷に司馬懿を誘い込んだ魏延は、どこにいっちゃったの?、と子供ながらに思いましたが、あとで吉川英治氏の『三国志』を読んで、司馬懿ともども魏延を焼き殺そうとしてたので、ビックリ。
魏延はともかく、その部下までも巻き添えにして殺すのはどうかな?、と思いました。
田中芳樹氏の『中国武将列伝』(徳間文庫)(だったかな?)を読むと、氏は孔明の策の中で一番汚いやり方で(しかも馬岱に罪をなすりつけて)「ひいきの引き倒し」と、断罪してましたが。
中国劇画の『三国志』(中央公論社)には、なぜかこの戦いは描かれてないんですよね。
それから、だんだん正史寄りに移行していったんです。
『正史 三国志』(ちくま学芸文庫)を読んでみると、孔明は普通でしたし。劉備は勉強嫌いの任侠の親分、て感じだし。
今度は悪玉の曹操に興味を持ち始めました。
曹操を再評価して世に知らしめたのは、陳舜臣氏でないでしょうか?
孫権を題材にした本は少ないように感じますが(良い本あれば紹介お願いします)、大酒飲みで虎狩りが好きな面白い人だと知りました。
正史と演義を比較すると、蜀の臣では魏延ですが、魏の臣では華キンが最も可哀想なんでは? ホントはいい人なのに……。
呉では間違いなく周瑜ですね。あそこまで演義の孔明にコケにされなくても……。
でも、名門で美男子で頭が良くて音楽に精通していて出世して上司の信頼厚くて綺麗な奥さんと結婚して(早死だったこと以外は)何でも揃ってる人だから、仕方ないかな?
羅貫中もジェラシーを感じたのかな?
まあ今は、演義によっておとしめられた人たちや脚光を浴びてない地味な人たちに関心がありますから、正史派ですかね。
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