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『蜀志』簡雍伝第八に次のような話があります。
この話は、正史の中では一番小咄的な話だと思います。ただ、内容的には『三国演義』向きの話じゃないような気がしますね。私は、演義はちくま文庫版の1・2しか持っていないので、入っているかどうか確認できませんが・・・
ひでりのため酒を禁止し、醸造した者は罰することになったときのことである。
役人がある家で醸造する道具を見つけた。
道具を持っていた者は、酒を作った者と同じ罰にすべきであるという意見が出された。
簡雍が先主(劉備)と散歩していると、一組の男女が道を歩いているのを見かけた。
簡雍「あの人たちは、淫らな行いをしようとしています。なぜ逮捕しないのですか」
先主「きみは、どうしてそれが分かるのかね」
簡雍「あの人たちは、そのための道具を持っています。酒を醸造する道具を持っている者と同じです」
先主は大笑いした。
その結果、醸造する道具を持っていた者は赦された。
委面如墨
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