下記のように以前、三国志ニュースで取りあげた記事を時系列に2007年分を並べた。
・三国志ニュース2007前
http://cte.main.jp/newsch/article.php/756
・三国志ニュース2007後
http://cte.main.jp/newsch/article.php/770
※追記
ゼロ年代を振り返って十大ニュース
それらの中から独断で十選しようとしたが、元からして三国志関連のニュースが多いんで、それだと重要な記事を取りこぼし消化不良になりそうだ。そこでここは趣向を変えて、三国志に関する十の項目(カテゴリー)を挙げてそこでコメントを入れたいと思う。なので正確には「重大十項三国志ニュース2007」か?(汗)
【ゲーム】二大タイトルの動きとその他携帯ゲーム
三国志関連のゲームで有名な二大タイトルといえば「真・三國無双」シリーズと「三国志大戦」シリーズであろう。前者がコンシューマー向け、後者がアーケード向けで棲み分けされているように思えるが、素人目に三国志ゲーム界という括りで対峙しているような気がしてならない。
今年の主要タイトルとしてはそれぞれ今年11月11日に『
真・三國無双5』発売、12月13日に『
三国志大戦3』稼働開始しかないが、それに至るまでやそれ以降様々な動きが見える。前者では「戦国無双」シリーズのキャラクターをも含めたゲーム『
無双OROCH』(3月21日)やニンテンドーDS用で『
真・三國無双DS ファイターズバトル』(4月5日)を発売し『
真・三國無双 Online』(11月28日)をリニューアルしており、また自社出版で関連攻略本、関連コミックや
小説を出版している。
後者は『三国志大戦2』の1人用モードの群雄伝に「魏後伝、蜀後伝、呉後伝」(3月26日)、「馬超伝」(7月7日)、「
南蛮伝」(10月6日)、「
横山三国志伝」(10月25日)といった追加シナリオを入れたり、ニンテンドーDS用で『
三国志大戦DS』(1月25日)を発売し、
講談社と
エンターブレインから攻略本や攻略DVDが出たり、その上、積極的に
イベントやゲーム大会を各地で行っている。
これらの二大タイトル以外では携帯ゲームやパチンコ・パチスロが目立つ。携帯ゲームでの三国志関連タイトルは移植作品も含め数年前から見られるので、時代の流れだね。
携帯ゲーム:
2007.02.01.
『天地を喰らうRPG II 諸葛孔明伝』i-mode配信開始
2007.02.28.
『三國志タクティクス』
2007.05.31.
『三國フィールドコンバット』配信開始
2007.08.01.
『横山光輝 三国志』(シミュレーションRPG)
2007.09.18.
『三國志英傑伝』(シミュレーションRPG)
2007.10.17.
『横山光輝 三国志年代記』
パチンコ・パチスロ:
2007.02.07.
『フィーバー覇-LORD-』公式サイトオープン
2007.05.07.
『パチスロ三國志』
2007.06.04.
『三国争覇伝』
【ネット】ウェブリングの衰退とブログの台頭
WWWで定番だったサービスのウェブリングの最大手「
ウェブリング・ジャパン サービス」が今年4月30日に終了となり、その煽りを受け数々の三国志関連のウェブリングが終了となった。これはネットに対する今の利用の変遷がよく表れており、逆にブログや
mixiなどのSNSが目に付くようになった。特に三国志関連ではいろんなサイトがブログを使って、あるいはブログのみを使って情報発信しているところが見られる。
ブログ:
2007.01.10.
「鋼鉄三国志」公式サイトオープン
2007.03.25.
川本喜八郎人形美術館オープン
2007.11.07.
「大三国志展ブログ」
2007.12.20.
「三onブログ」
【TV】CSでの再放送と番組の一部
アニメは別項目で挙げるため、それ以外のテレビ番組で目立った動きとして、CSや地方局を使って既存のコンテンツを放送したことがある。CSで2月に『
スーパー歌舞伎 新・三国志』、3月に『
スーパー歌舞伎 新・三国志II~孔明篇』、4月に『
スーパー歌舞伎 新・三国志III~完結篇』が放送され、『
人形劇三国志』が2月15日より放送され、10月9日より再び放送された。10月7日にBSジャパンで『
中国歴史ドラマ 関羽』』が放送開始された。地上波では中国中央電視台制作『三国演義』の編集版『
三国志』が4月3日よりKBS京都、4月7日よりチバテレビ、11月16日よりテレビ金沢で放送された。
その他、全国区の地上波では日本テレビ系列の番組の『
100人の偉人 天才編』(1月4日)の一部で三国志ネタがあり、同じようにTBS系列の『
日立 世界ふしぎ発見!』(6月30日)やTBS系列の『
21世紀エジソン』(11月13日)でも一部、三国志ネタが出てきた。
【漫画】複数連載バブルの顛末
2004年がいろんな雑誌で三国志関連漫画の連載があって、
三国志漫画ブームともいうべき状況で年が明けた2005年1月28日に三国志漫画の専門誌の隔月刊『
コミック三国志マガジン』が創刊し、ブームが加速されたように思えたが、2005年11月10日に大御所の『
蒼天航路』が完結し、他いくつかの連載が終了になるなど、
淘汰されるものもでるようになっていき、ピークを迎えつつあった。
そこで迎えた2007年、5月16日に『
三国志烈伝 破龍』と5月28日に『
諸葛孔明 時の地平線』の二つの少女漫画が連載終了になり、4月27日に『
新三国志 雷霆の如く』の連載が終了となり、5月28日に専門誌の『
コミック三国志マガジン』が休刊し、一方では3月6日に『
龍狼伝 中原繚乱編』、3月17日に『
まじかる無双天使 突き刺せ!! 呂布子ちゃん』、6月15日に
『SDガンダム三国伝 風雲豪傑編』、12月21日に『
BB戦士三国伝~英雄激突編~』の連載が始まり、7月12日に『
ブレイド三国志』の連載が再開し、8月30日に『
DRAGON SISTER!-三國志 百花繚乱-』が移籍連載開始したり、『
コミック三国志マガジン』と『
ランペイジ』がウェブ配信になっていたり、1月31日に『
猫さんごくし にゃー』1巻が出版されたり、3月5日から定番の横山光輝/著『
三国志』の愛蔵版が毎月出版されたりと相変わらず流動的な状況になっている。
逆に『
覇-LORD-』、『
八卦の空』の2007年は安定して連載しており、単行本はそれぞれ10巻、3巻が発行されている。
【アニメ】作り手の思惑は本道から外れ
下記のように三国志関連のアニメを下記に三つ挙げる。どれも『三国志』にも『三国演義』にも出来事やストーリーを全く踏襲せず、設定(中には名前だけ?)を一部借りてくる作り方。
アニメ
2007.02.26.
『一騎当千Dragon Destiny』放送開始
2007.04.05.
『鋼鉄三国志』アニメ放送開始
2007.12.26.
『やわらか三国志 突き刺せ!!呂布子ちゃん』
【イベント】定番と新興
内容の合う合わないは個人によって違うだろうけど、気付いたら定番と呼べるものが多くなっていて嬉しい限り。2月に
三国志プロジェクト(演劇。2008年は準備期間ということでないそうな)を観劇し、5月、8月に
三顧会に参加し、5月、11月に
中華コスプレ日本大会に参加し、6月あたりに
三国志の宴に参加し、7月に
三国志シンポジウムで聴講するという流れ。
あと記念イベント的なものも含め今年はいろんなイベントがあった。こちらは定番と違い、何かの作品に依拠しているものが多い(普通に考えれば作品のファン層に依存しているってことか)。3月25日に「
『三国志大戦2』ファンイベント ~ありあけの宴~」、4月1日に「
放送直前!鋼鉄三国志前夜祭~集え六駿 駿逸なる風のもとへ~」、6月6日に「
新北京プロレス Japan Tour 2007」、7月29日に「
三国志祭り」、8月11日に「
人形劇「三国志」を語ろう~操演名人によって、いま孔明、曹操に命が吹き込まれる~」、8月26日に「
集え!呉下の駿馬たち~熱き風のもとへ~」があった。
【小説】着実に出版
小説で連載されているのは宮城谷昌光/著『三国志』、『泣き虫弱虫諸葛孔明』第参部で、それぞれ9月14日に宮城谷昌光/著『
三国志』第六巻、2月14日に
『泣き虫弱虫諸葛孔明』第弐部が発行されている。
他にも下記のようにいろいろ出版されている。アニメに比べ『三国志』の記載や『三国演義』の設定をより多く取り入れる傾向にある
小説:
2007.03.02.
『天破 三国志 2』(歴史群像新書)
2007.06.29.
『私説三国志 天の華・地の風』復刊
2007.08.31.
『天破 三国志 3』
2007.11.
『三國志曹操伝』(塚本青史/著)
2007.12.03.
芝豪/著『呂蒙』
【同人】ファン層の反映
同人イベント(同人誌展示即売会)の内容を見ると、三国志ファン層(若年層)の興味が何に行っているかどの作品に行っているかよく反映されている。但し、ある作品に依拠したイベントを立ち上げたものの参加するサークル数が少なかったというあたりもよく反映されているような気もする(まぁ、告知方法の仕方にも依存するが)。
同人誌展示即売会:
2007.02.04.
「交地ニハ絶ツコトナカレ 七」
2007.02.18.
「戦さ人~もののふ~弐」
2007.03.04.
「終~血たぎり祭り4~桃園卒業式」
2007.03.25.
「桜華剣乱 参」
2007.04.01.
「万華繚乱」
2007.06.24.
「天下布武 夏の陣」
2007.07.08.
「天下統一の計~萌もってこぉい~」
2007.07.16.
「恋姫†演舞」
2007.10.07.
「龍躍雲津」
2007.10.14.
「交地ニハ絶ツコトナカレ 志」
2007.11.11.
「交地ニハ絶ツコトナカレ 八」
【学界】三国志学会の動き
学界という項目を立てたものの、今年の分としては、研究者からではなく一般人からだと「三国志学会」(2006年発足)ぐらいしか挙げられず、逆に言えばそれだけ「三国志学会」が一般にも門戸を開いたという意味で希有な存在なんだと改めて認識する。
関連:
2007.05.20.
「名場面と人物で見る三国志」(「中国情報局」のコラム)連載終了
2007.07.25.
『三国志研究入門』
2007.07.29.
「第2回三国志学会大会」
【フィギュア】新旧の人気作品
最後の項目は今年、外すことができないトピックス2つを挙げたいために強引につくった項目ともいえなくない(汗)
一つは3月25日に「
川本喜八郎人形美術館」がオープンしたこと。もちろん、1982年10月2日から1984年3月24日まで放送され人気を博したNHK/制作『人形劇三国志』の人形(フィギュア)も展示されている。
あと一つは今年はBB戦士20周年ということで三国志や三国演義をモチーフとしたガンダム商品として6月15日より『
BB戦士 三国伝 風雲豪傑編』(プラモデル、つまりフィギュアと言いたい・笑)が発売されていること。「BB戦士三国伝」としては今年から人気を得ており、三国志ファンとしてはより三国志色の濃い領域に多くの人を引き込んで欲しいところだ。