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メモ:三国志ジャンルにおけるデータベース消費


  • 2008年5月31日(土) 10:38 JST
  • 投稿者:
    清岡美津夫
  • 閲覧数
    3,582
研究 <2012年1月28日追記>
アクセスログを見ると、ネットで「データベース消費」と検索するだけでリンクを辿ろうとしない、あるいは検索語句を調整しない、ネットリテラシーの低い人が多いので、お節介にも出典とそこからの引用を以下に追記しておく。

東浩紀/著『文学環境論集 東浩紀コレクションL』(講談社)P.570より
--引用開始---------------------------------------------------------
「データベース消費」とは、個々の作品やデザインがさまざまな要素に分解されたうえで、作品という単位への顧慮なしに直接に消費され(たとえば原作は読まれないのにキャラクター商品だけは売れ)、ときに消費者の側で再構成されてしまうような消費様式を意味する。
--引用終了---------------------------------------------------------

※追記。アクセスログを見ると、2012年07/27 (金) 00:57:14から不特定多数のIPアドレスから「データベース消費 三国志」とか「データベース消費 漫画」とか検索語句があるが、早稲田あたりでレポートでもでているんだろうか。07/30 (月) 16:50:35に「データベース消費と物語消費 についてのレポート」というそのものズバリの短絡的な、知性のかけらもかんじられない検索語句があったし。そんなリテラシーの低さだと、その結果はきっと評価点も低いことだろう。
<追記終了>

 以前、メモ的な記事を書いたとき、冒頭で、とあるブログの影響を受けたと書いたけど、そのブログでよく引用されていたのが東浩紀さんの著作。そこで同著の『動物化するポストモダン』『ゲーム的リアリズムの誕生 : 動物化するポストモダン2』『網状言論F改』『波状言論S改』を続けざまに読んでいる(※そういや関係ないけど、第7回三顧会で玄鳳さんが持っていた書籍は『三国志』の訳本以外だと東浩紀さんの著作だったね、確か)。
 というわけで以下、その影響を受けつつ三国志ニュースの「公式サイト」の記事を参考にしたメモ。


 よく耳にする言い回しとして「三国志という物語」とか「三国志 あらすじ」とか「三国志、その後」とか「三国志の結末」などがあり、『三国志』が一つの「大きな物語」であると誤認されている証左なのだろう。しかし、そもそも今の三国志ジャンルの大元である史書の陳寿撰『三国志』(成立:紀元280年以降)自体、一つの「大きな物語」なのではなく、王や皇帝など君主ごとに記述された本紀と、臣下ごと(一部、民族ごと)に記述された列伝の集合体であり、いってみればデータベース的側面を持っている。また『三国志』は『三国志』魏書袁紹伝に「語在武紀」(語は武帝紀に在る)、または『三国志』魏書呂布伝に「語在卓傳」(語は董卓伝に在る)とあるように他の列伝の箇所に触れることもあって、あたかもあるデータが別のデータへリンクしている箇所があり、その側面を浮き彫りにしている。
 『三国志』には本紀と列伝のみだが、他の史書、例えば『史記』には、さらに諸侯ごとに記述された成家、制度ごとに記述された書(他の史書、例えば『後漢書』や『晋書』では志)、年ごとに記述された表があり、データベース的側面が強くなっている。
 さらに『三国志』の裴松之の注は言ってみれば関連情報・詳細情報へのリンクなんだろう。また『三国志』と記述されている人物が多く共通する『世説新語』や『捜神記』などの文献はエピソードごとに収録されたデータベースとも言える。

 時代が下るとこういった簡牘や紙をメディアにしたもの以外にも、三国志関連の講談や雑劇など、生身の声や動作(楽器演奏も)をメディアとしたものが出てくる。これらはどちらかというとエピソードごとにまとめられている(※講談に関してはほとんど知らないので、こう言い切れる自信はないが)。

 さらに時代が下ると紙のメディアの『新刊全相平話三国志』(成立:紀元1321-1323年)や羅貫中/作『三国演義』(成立:14世紀)など、三国志関連を一つの「大きな物語」にまとめる動きが出てくる。
 それらの中で『三国演義』は淘汰されず、多くの人によりバージョンが変えられつつ(挿絵も入るようになり)写本あるいは出版し続けられた。

 この「大きな物語」の『三国演義』は日本にも輸入され、『三国演義』を日本語に翻訳(?)した湖南文山の『通俗三国志』(成立:紀元1689-1692年)が刊行された。
 そのため、江戸時代中期の日本では、輸入された『三国演義』を読む層、『通俗三国志』や『三国演義』のダイジェスト本を読む層、三国演義関連の歌舞伎や浄瑠璃や講談などで物語を楽しむ層の三つの消費形態出てくる。三番目の層の物語を楽しむ層は言ってみれば「大きな物語」からエピソードを切り出す消費形態の走りだといえる。

※参考記事 2006年7月29日「三国志シンポジウム」雑感2

 三番目の層の補足として、下記、参考記事によると詩文、川柳、掛け軸などがあったとのこと。エピソード以外にも「大きな物語」からさらに多角的に細分化して切り出し創作を加え消費されている。

※参考記事 第3回三国志シンポジウム 雑感1

 日本では『通俗三国志』が出版され消費され続け(時には挿絵も入るようになる)、それとは別に明治時代に入ると『三国演義』も出版されるようになる(これも上記参考記事の受け売り)。

 1939年8月から1943年まで『中外商業新報』(新聞)において、『三国演義』を元にした吉川英治/著『三国志』(小説、以下、吉川『三国志』と表記)が連載され、後に書籍にまとめられ、それが現在に至っても消費されている。
 日本人の手で、『三国志』を大元として『三国演義』を日本語でリライトした三国志関連の「大きな物語」としては20世紀の日本において代表的な作品となっている。
 これに、三国志関連の小説として1966年から1968年まで『週刊現代』で連載された柴田錬三郎/著『柴錬三国志 英雄ここにあり』(小説)、1974年の陳舜臣/著『秘本三国志』(小説)が続く。
 後者の『秘本三国志』は『三国演義』や『三国志』以外にも『後漢書』を参考にしており、『三国演義』の「大きな物語」とは異なる部分が多い。

 こういった小説としての「大きな物語」の消費形態から新たに漫画としての消費形態が提示された。それが1972年1月から1987年3月まで連載された横山光輝/著『三国志』(漫画)である。これは吉川『三国志』とストーリーが似ている。
 さらには1982年10月2日から1984年3月24日までNHK制作の『人形劇三国志』がTV番組として放送され(人形を使った劇の放送、『三国演義』が原作となる)、三国志関連の消費形態が小説に留まらないことが示された。
 横山光輝/著『三国志』および『人形劇三国志』はこの頃の日本(1980年代?)の三国志ブームを支えていた。

 このブームの中、それ自体が「大きな物語」という枠組みに収まらない消費形態が出てくる。それは1985年12月に発売された光栄(現コーエー)/制作『三國志』(PC88用シミュレーションゲーム)である。
 これはシリーズ化され現在、11作目まで発売されており、そのどれもイベントと呼ばれる断片的なストーリーはあるものの、基本的に幹となるストーリー、つまり「大きな物語」はない。またゲームであるため、登場する人物の特性はパラメータ化されており、その多くは消費者(プレイヤー)に明示されている。その消費形態故に三国志関連の様々な事象をデータベース的に解体する必要があったと言える。
 ここに日本の三国志関連において「大きな物語」に頼らなくとも消費できるという構造の始まりを見て取れる。

 とは言っても、三国志ブームの盛衰に影響を受けるものの、「大きな物語」の枠組みに収め消費する構造は三国志ジャンルにおいて依然、健在であり、1990年代に入ってもなお、様々なメディアでその多くが『三国演義』を基板とした作品が生産され消費された。
 1991年から1992年まで横山光輝/原作『横山光輝三国志』(アニメ)が放送された。
 1994年、中国中央電視台/制作『三国演義』(TVドラマ)が制作された。
 1994年10月から2005年11月10日まで王欣太/著『蒼天航路』(漫画)が『週刊モーニング』(講談社)で連載された。これは『三国演義』以外にも『三国志』等の史書も参考にされている。
 1996年11月から北方謙三/著『三国志』(小説)が発表された。
 1998年7月25日から2007年5月28日まで諏訪緑/著『諸葛孔明 時の地平線』(漫画)が『隔月刊プチフラワー』に続き『月刊flowers』(共に小学館)で連載された。
 これらは何らかの形で1990年代の三国志ブームを支えたと言える。

※参考記事 第8回三顧会午前1 ※リンク先のページの終盤にある


 これとは違う流れとして別ジャンルの要素を三国志ジャンルに合わせる消費形態がある。例えば、1985年7月25日発売の雑誌『小説June』に掲載された『わが天空の龍は淵にひそみて(前編)』、後の江森備/著『私説三国志 天の華・地の風』(小説)はJune系の要素を三国志ジャンルに導入し(もしくはJune系のジャンルに三国志ジャンルの要素を導入し)、結果的にそれまでの三国志ジャンルの外にあった消費層の需要を開拓した。
 もう一例としてスーパー歌舞伎の要素と三国志ジャンルの要素を合わせた作品に1999年4月に初演された松竹/制作『スーパー歌舞伎 新・三国志』を挙げておく。

 さらには1990年代に流行した対戦格闘ゲームの要素を三国志ジャンルに導入した作品が1997年2月28日に発売されたコーエーのオメガフォース/制作『三國無双』(プレイステーション用ゲーム)であり、対戦格闘ゲーム由来と思われるキャラクターを特徴付ける要素が大きく導入されている。さらに言えば、ゲーム上のキャラクター(もちろん歴史上の人物と同名)に『三国志』や『三国演義』等の伝統的な由来の要素(武器に諸葛亮が羽扇や関羽が青竜偃月刀を持つ等)以外にもオリジナルの要素もしくは他のジャンルから影響を受けた要素(降ろした長髪の周瑜や各人の服装等)を組み入れており、あたかもキャラクターごとのデータベースを構築しそれを消費させるという形態をとっている。

※参考記事 「ビジネスにおけるキャラクター活用」にて1

 この『三國無双』は1対1の対戦格闘ゲームの枠内から多人数対多人数のタクティカルアクションゲームに進化し、戦場(ステージ)の概念を取り入れ2000年8月3日に発売されたコーエーのオメガフォース/制作『真・三國無双』(プレイステーション2用ゲーム)になる。これはステージごとのデータベース的側面を有していると言え、やはりゲームの特性上、伝統的な由来の要素以外にもオリジナルな要素が加わっている。これが流行し2000年代前半の三国志ブームの支えとなった。

 かといってデータベース消費がメジャーになったというわけではなく、「大きな物語」という形でも作られており、例えば、従来のように『三国演義』を基板にしたものではなく『後漢書』や『三国志』などの史書を基板とした作品として、2001年4月10日から『文藝春秋』で連載が始まった宮城谷昌光/著『三国志』(小説)が挙げられる。この小説は地の文で(著者視点で)たびたび『後漢書』や『三国志』を引用するといった、まるでデータベースにアクセスしリンクするというような手法がとられている。尤も『三国志』と銘打たれた作品内で、同名の『三国志』から引用することは不可解な現象には違いないが。

 1990年代から流行している分冊百科に三国志ジャンルの要素(主に『三国演義』)を導入したのが、2004年3月25日から2005年3月17日まで週刊で発売された分冊百科『週刊ビジュアル三国志』(全50巻)(世界文化社)である。実質はともかく(雑誌と区別がつきにくい)、分冊百科と銘打っているため、分冊に百科(各コーナー)を入れていくという手法はまさにデータベース消費的な枠組みに入っているだろう。

 漫画においても「大きな物語」という形で作られており、2004年9月10日から『ビッグコミックスペリオール』(小学館)で連載が始まった武論尊/原作・池上遼一/作画『覇-LORD-』(漫画)が挙げられる。これは『三国演義』を基本の流れとし各所で奇抜な設定(例えば、主人公の倭人が劉備に成りすますことや、呂布と趙雲(作中では女性)との子が関平とか出てくる。)を導入している。

※参考記事 第3回三国志シンポジウム 雑感11


 また2005年1月28日から2007年5月28日まで三国志漫画専門誌の隔月刊『コミック三国志マガジン』(全15冊)(メディアファクトリー)が発売される。掲載作品がすべて三国志関連であるため、必然的な結果として各作品は互いに差別化を図り特色を出すため、他のジャンル(対象は主に漫画内ジャンル)から様々な要素を取り入れるようになっていた。時事ギャグ漫画、スタイリッシュなギャグ漫画、学習漫画、劇画、水墨画調漫画、ファンタジー漫画等。「大きな物語」の形を為そうとした漫画は少ないため、全体として様々な他ジャンルから輸入したデータベース消費的側面が強い。

 2005年3月15日からセガ/制作『三国志大戦』(アーケードゲーム、リアルタイムカードアクション)の稼働が始まる。三国志の人物(キャラクター)一人一人がそれぞれカードになっており、筐体上で手持ちのカードを実際に動かし、画面上(ゲーム上、ソフト上)の対応した人物に指示を与える仕組みになっており、ネットワークを通じ全国の誰かと対戦できるようになっている。『三国志大戦』に先んじて同社よりサッカーのトレーディングカード『ワールドクラブ チャンピオンフットボール ヨーロピアンクラブス 2005-2006』が出ているため、三国志ジャンルにこのサッカーゲームのシステム(要素)を導入したともいえる。
 『三国志大戦』において、人物のカードに『三国志』や『三国演義』に由来する人物紹介文以外にゲーム特有のパラメータの他、様々なイラストレータによる人物の肖像画(というよりイラスト)が載せられている。複数のイラストレータの手によるため全体として統一感はないものの、、様々な他のジャンルの要素を各々取り込まれカード一枚一枚(キャラクター一人一人)が特徴付けされているため、もはや『三国志』や『三国演義』由来の特徴(要素)が希薄になっているキャラクターも多い。さらには各キャラクター固有の音質でゲーム上(ソフト上)の動作に応じ内容の異なるセリフが再生され、そのキャラクターのイメージが補足され拡張されている。
 ここで特筆することとして、『三国志大戦』がキャラクターごとでデータベース消費されていること以外にも、従来の三国志関連ゲームではあくまでもソフト上のことだったデータベース的側面が、カードという形でキャラクターごとに顕在化(物質化)したことが挙げられる。これによりソフト(ゲーム。ここでは筐体)を介さない消費が可能となり(例えばカードのトレード)また消費意欲を刺激し、総じて従来のゲームよりデータベース消費を促進させている。
 さらに『三国志大戦』の続編の『三国志大戦2』から既存の三国志関連作品からのキャラクターを導入し、まさに既存作品をデータベースに取り込み、該当する作品の消費層の需要を開拓している。
 こういった商業的成功(大量に消費された)により『三国志大戦』は2000年代後半の三国志ブームを支えていると言える。
 もっとも『三国志大戦』に先んじ、コンピュータを介さないものであれば、やのまんの『三國志 赤壁大戦』『マジック・ザ・ギャザリング』の「ポータル三国志 日本語版」などトレーディングカードゲームは存在していたものの、商業的成功という点では『三国志大戦』ほど有意とは言えない。

 こういった三国志ジャンルにおけるデータベース消費の例として、他には2007年6月15日からキャラクターごとに製品として発売されている『BB戦士 三国伝』(玩具、プラモデル)が挙げられる(キャラクターを複数同包させたセット販売もある)。これはBB戦士(あるいはSDガンダム)という「大きな物語」からデータベース的に取り出した様々な要素と、三国志ジャンルという「大きな物語」からデータベース的に取り出した様々な要素とを各々、合わせ形成されている。具体的にはBB戦士(あるいはSDガンダム)のキャラクターをあたかも役者として扱い、それぞれ三国志ジャンルのキャラクターを役として演じさせる構造となっている。例えば、ZZガンダムが関羽を演じ、サザビーが司馬懿を演じている。『BB戦士 三国伝』の製品としてのキャラクターは、さらに武器、鎧、さらには手足を分離させることができ、さらには他のキャラクターと融合させ新たなキャラクターを自由に創造することもできる。それはあたかもデータベース(データ群)からデータを取り出し新たなデータベース(データ群)を作り出す過程に似ており、それがソフト上のことではなく顕在化(物質化)したものであるため、さらなる消費意欲を刺激するものであろう(※メーカーの狙いはともかく、私は対象となる消費者に聞いたわけではないため実際は不明)。
 またこれらの消費形態のイメージを補佐し拡張する販売戦略としてメディアミックスの手法が用いられている。具体的には雑誌でマンガを連載させたり、インターネットの公式サイトや各種ホビー雑誌で様々な情報を載せたり、店頭で主題歌付きのアニメーションを流したりすることが挙げられる。

※関連記事 三国伝年表公開(2007年11月9日)


※2008年5月31日10時39分、モス大塚駅北口店にて。イベントに一般参加する前なのでお粗末ながら慌てて一通り書き終える。後で書き直しや書き足しをする予定(少なくともリンクは足す)。


※追記 メモ:三国志ジャンルと消費2

※新規関連記事 中央本線新宿以西4駅と山手線北側の思い出巡り(2017年2月11日)

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