<前回>第7回三顧会午前(2007年8月14日)
http://cte.main.jp/newsch/article.php/695
三国志城を順路通りに見ていくと最終的に食堂に出る。そのままアナウンス通り、特別企画展示場に戻ると、舞台設定がなされていて、入って右奥にスクリーンが用意されていて(右の写真)、右奥の壁の前に長机と座布団が用意されていてそこに講師が座るようになっている。机の上にはノートPCが用意されているがそれは持ち込まれた原稿用で、実際には左手のノートPCでノッチさんが操作し発表資料を順にスクリーンへ映し出す。
○三国志講習会
英傑群像岡本さんの開始のアナウンス。
すでにスクリーンには今回のタイトルとなる「ひとくち三国志会話」と出ていた。
まず「
NPO三国志フォーラムというところに所属してます」と講師の玄鳳さんが自己紹介し、三国志城に来るのは五回目(三顧会は二回目)という話をしていた。
三顧会といった場ではいろんな三国志ファンが集まるんで中にはコアな話題も出たりするが、日常生活では三国志の話はなかなかできないのではないか、という出だしから入る(但し、近くに三国志好きの友達がいるとか、近くの友達を三国志好きにしてしまったとかは別として)。今回は三国志に詳しくない人とでも日常会話で三国志の話題ができるんじゃないか、というテーマでの話とのこと。
まず玄鳳さんの三国志ファン歴。小学校ころの三国志好きの友人が玄鳳さんに向けて毎日三国志話をし、中学校のときに吉川三国志を読んで、ちょくちょくゲームをし、大学では
三国志研究会に入った。現在はフラッシュやPHPなどをつかった三国志関連のコンテンツをつくれないかな、と模索中。好きな人物は龐統、賈詡、郭嘉、と知将が好きとのこと。最近は張松、管輅に注目。あと自サイトの紹介(下記)。
・三国志の話でもしようか
http://genhou394.blog79.fc2.com/
※追記
勝手に「三国志検定」おべんきょう会in東京(2009年6月20日)
今回のテーマはこのサイトと同じコンセプトとのこと。
玄鳳さん「実際、三国志に詳しくない人とでも日常会話で三国志の話題ができるのか、と思いますよね?」
玄鳳さん「そう思った人は正解です!」
(場内笑)
という感じで掴み、「中には三国志の話をして引かれてしまった人もこの中には居るんじゃないか」、と話を続ける。さらにこの例としてお笑い芸人の
長井秀和さんのネタ「初めてのデートで三国志の話はするな!」(物まね込み)を引用し、さらに場内わく。
(※以下、このブログ記事の書き方を少々、解りやすい方へ変える)
三国志ジャンルは『三国演義』という古典で昔から日本で親しまれていたという背景を持っているので、三国志に限らず歴史が好きって人(特に年輩の男性の方)は結構、多い。そういう人には結構、うける。そこらへんを糸口に三国志の話題ができるのではないか。また三国志に由来する言葉が日本へ輸入されておりそれも話の糸口に使える。
具体的には普段から三国志ファンを自称しておけば、切欠があれば三国志ネタを振ってくれるのではないか、とか、
饅頭は(『事物紀原』では)諸葛亮が発明したなど語れるのではないか、と結構、良いネタになるかもしれない。
実際、日本へ輸入されている言葉として(※スクリーンに映し出される)、「三顧の礼」「
泣いて馬謖を斬る」などはよく知られている。あと時代は下るが「白眼視」などもある(※ここでこの言葉の説明。下記リンク先参照)。
・泣いて馬謖を斬る (ブログ
「三国志の話でもしようか」内。以下、同じ)
http://genhou394.blog79.fc2.com/blog-entry-19.html
・白眼視
http://genhou394.blog79.fc2.com/blog-entry-26.html
後は「苦肉の計」、「破竹の勢い」(※講演ではこれを説明)、「髀肉の嘆」。
・苦肉の計
http://genhou394.blog79.fc2.com/blog-entry-37.html
日常ではまずないが、「死せる諸葛、生ける仲達を走らす」、「鶏肋」、「七歩詩」(※これを説明)
・死せる諸葛、生ける仲達を走らす
http://genhou394.blog79.fc2.com/blog-entry-46.html
・鶏肋
http://genhou394.blog79.fc2.com/blog-entry-57.html
このように三国志に関係する話があるが、この中で孟宗竹という竹がある。ポピュラーな竹。これは
三国時代の孟宗という人物に由来。
※ここで谷館長からのお話。三国志城の近くにも孟宗竹があるとのことで。あと「破竹」という竹の種類もあり、こちらは「破竹の勢い」の語源かと勘違いするほど、すごく蔓延るとのこと。
孟宗は呉の國の人で親孝行ものとして知られている。母親が筍を食べたいということで、孟宗が探しに行ったが冬なので生えていない。それを嘆いていたら筍がみるみる生えてきたというエピソード。
ここで一つのエピソードを紹介。
三国時代なので現在とはまったく違った価値観のため現代人には納得できないエピソードが多々あるが、ここでは納得あるエピソードを紹介。華[音欠]のエピソード(詳しくは下記リンク先)。
・最後まで責任を持て
http://genhou394.blog79.fc2.com/blog-entry-56.html
今の我々にも教訓になる話。その次が龐統の話(※『三国志』蜀書龐統伝の冒頭)。龐統は人を評価する時、実際より褒める傾向にあって、人からその理由を聞かれたときに龐統はどう答えたかというと、世の中というのは乱れていて道義が廃れ、善人が少なく悪人が多い。乱世で志を持って貰うには少々大げさに言わないと、いろんな困難が襲ってきて志が挫けてしまうので敢えて大げさに言う。それが過大評価だったろうとしても、評価が正しくなかったろうとしても例えば十人抜擢して、そのうち五人が使えなかったとしても半分が使えれば、それが世を正すということでは非常に有効ではないのか、と龐統は言った。今は乱世ともいえなくないので、褒めて伸ばそうとする龐統の考え方は現代にも通じるのではないか。
三つ目が時事問題を三国志で知るという話。ブログを書くために歴史書を読んでいるが、その中で面白い話をみつけた。今年の初めの方のある事件と合致する話をみつけた。郤倹、甘始、左慈の三人の話(下記、リンク先)
・くれくれ大辞典
http://genhou394.blog79.fc2.com/blog-entry-38.html
現代にも我々にも通じる話。なぜウソの番組が作られたか、というのは実は騙されやすい一般消費者に元凶があるのかな、と思っている。
こういったように1800年も昔の人と実はあんまり変わっていないのかな、とそういったところから学ぶところが多いのかな、と感じるところ。
三国志というのはマニアックな世界でもあるが、うまくこういったエピソードを知っておくと、たまに話を振られたときに三国志好き以外の人にも話ができるのではないかということで、今回、エピソードを紹介していった。但し、話をするときは空気を読みながら(※ここで笑いが起こる)、話をしていくと良い。
というわけで1時25分講演終了。
谷館長からのコメント。龐統の話には感心したとのこと。
ここから質問コーナー。この講演以外の質問でも良いとのこと。
質問1 (※前回の「連弩で武将を倒そう!」で二位になった
アムロ・レイさん)
水木しげる先生が書いた『水木しげるの中国妖怪事典』を見ていると、中国のろくろっ首が出てきて、そこに呉の将軍の妻がその妖怪だと出ていたが何か知っているか?
回答
※ここで清岡がお節介にも『捜神記』に載っている旨を伝え、さらに傅僉さんが載っているとお墨付き。
・捜神記の日本語訳
http://cte.main.jp/newsch/article.php/225
今、上記リンク先を見ると『搜神記』卷十二だね。朱桓の妻。
質問2
杜甫の詩は諸葛亮に関する詩が多く、中国ではかなりの三国志好きだと思うが、日本での一番の三国志好きは誰?
回答
ここで玄鳳さんは湖南文山の『通俗三国志』や杜甫の話に関連づけて土井晩翠の長編詩『星落秋風五丈原』の話をする。後で聞いたらやっぱり第3回三国志シンポジウムでの中林先生の受け売りとのこと(笑)
・第3回三国志シンポジウム 雑感1
http://cte.main.jp/newsch/article.php/665
質問3
『三国志』の「志」は「史」ではなく「志」である意味は?
回答
玄鳳さんは「紀伝体」の「志」を絡め説明しようとしていたが、うまく伝わってなかった。清岡は単純に「志」は「記録」という意味があるで済ませば良かったのかなぁなんて思っていた。
1時30分終了。
個人的には三顧会での講演では過去最高の面白さと内容の良さだなぁ、と思っていた。
次の14時開始の企画まで休憩時間とのこと。
その時間、まず玄鳳さんやUSHISUKEさんと講演の話をしていた。USHISUKEさんが帰省を利用して講演してくれないかな、とかも話していた。
あと清岡は
ピーターラビットの手提げカバンにノートPCを入れて持っていたら、「かわいらしいカバン」と言われたんで、きっちり「諸葛亮の罠」のエピソードを伝える。
それから玄鳳さんの元へ質問に来ていた人が居た。『コミック三国志マガジン』での「三国志名言譚」シリーズ(漫画→
『三国志に聞け! 名言の誕生編』として文庫化)を持ってきて、そこで漫画化されなかった名言についての質問。
「危急存亡の秋」については玄鳳さんが答え、「画餅」については清岡が下記のリンク先を思い出しつつ答えていた。『三国志』魏書盧毓伝に載っているやつね。
・「絵に描いた餅」の元祖?
http://cte.main.jp/newsch/article.php/167
<次回>第7回三顧会午後2
http://cte.main.jp/newsch/article.php/697
サイト管理者はコメントに関する責任を負いません。