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メモ1:三国志学会 第十八回大会(2023年9月3日)


  • 2023年10月21日(土) 00:35 JST
  • 投稿者:
    清岡美津夫
  • 閲覧数
    238
研究 ※前の記事 メモ:三国志大文化祭2023(2023年9月3日)

 2023年9月3日日曜日昼、会場となる早稲田大学小野記念講堂に居た。

・小野記念講堂 - Waseda Culture 早稲田大学 早稲田文化
https://www.waseda.jp/culture/facility/ono/

 何の会場かというと、13時30分開始での三国志学会主催の三国志学会 第十八回大会の会場だ。下記の前回記事同様、当日のメモを写すぐらいの短いものになると思う。「※」の記号で始まる文は清岡によるコメント。

・三国志学会
http://sangokushi.gakkaisv.org/

・三国志学会大会
http://sangokushi.gakkaisv.org/taikai.html

※関連記事 三国志学会 第十八回大会 三国志大文化祭2023(東京2023年9月3日日曜日)

※前回記事
 メモ1:三国志学会 第十七回大会(2022年9月4日)
 メモ2:三国志学会 第十七回大会(2022年9月4日)

※新規関連記事 三国志研究第十八号(2023年9月3日発行)

※新規関連記事 三国志学会 第十九回大会 三国志大文化祭2024(東京2024年9月8日日曜日)

○石井仁会長挨拶 (13:30~13:40)

 13時33分、会長挨拶。

○報告(13:40~15:35)
 鵜浦恵(慶應義塾大学専任講師)
 「毛宗崗本『三国志演義』における「忠」の方向性」

※関連記事 リンク:鵜浦恵:時をかける三国志パロディ(三田評論ONLINE 2022年12月19日)

 レジュメがA3用紙2枚 A4計4ページのもの。※上記関連記事の印象でてっきり受容関係かとおもったらがっつり『三国志演義』版本研究だった。
・毛宗崗本の先行研究 発表者のこれまでの研究
 →曹操に関わる人物の描写 程昱・荀彧・賈詡
 →曹操配下で関羽と関わりのある人物 張遼・徐晃・龐徳
 →劉備に関わる人物で蜀を献上しようとする人物 張松・法正・孟達および糜芳・傅士仁
 →黄蓋・闞澤・甘寧および張昭
五 孫権(呉)に対する忠
 →「忠」の内訳。本文の場合、漢王朝(緑系)と蜀。※さすがkeio、koeiカラー

※関連記事 コーエーの2008年3月下旬出版状況

※吉永壮介先生の研究を思い出すね、文字をきっかけに進めていくやり方は。keioだけに?

※関連記事 リンク:『三国志演義』の怒りの諸相(藝文研究第107号 2014年12月)

 →甘寧・黄蓋 →諸葛瑾の場合
 →于詮の場合 毛宗崗本で義を強調
六 曹操に対する忠 典韋 許褚 楊阜 華歆、毌丘倹と諸葛誕、王経と王経の母※仮説をだされていた
七 劉璋に対する忠。それぞれの人物に対して毛宗崗が評をつけていた 仮説で益州の人物の優秀さを出すため
●質疑応答の時間
伊藤慎太郎先生 劉璋に対する忠のところで、歴代、どういった評価があったのかも視野にいれるというアイディア
町田さん 他の自分たちの土地を明け渡す場面での忠はどうだったか。→特に書かれてなかった、調べた限りでは。
上原先生 分析方法のアドバイス。毛宗崗本の中でも古い版本を使ったほうが良いのでは?


 竹内真彦(龍谷大学教授)
 「『三国志演義』における紀年表現について」
本体 A3用紙1枚 A4計3ページ 別表1 A4用紙2枚 A4計3ページ 別表2 A4用紙6枚 A4計11ページの3種が配布資料。
・南宋の『東京夢華録』 三国志演義が書かれた時期は「小説」という意識では書かれてなかったのでは。後世の定義付けでは?
・「羅貫中」は何をしたか。
 →嘉靖本の看板としては羅貫中は「編次」と。本体はあくまでも陳寿『三国志』(陳寿は「編年体」ではない) 「編次」の実際、年代を示していこう、とのこと。
※どういう意図でかかれたか、は好物。
・別表について見ていく。まず葉逢春本から(別表1-1 『三国志演義』葉逢春本と李卓吾批評本における時間進行) 3つ並べて書いていくのは大変、『三国志演義』が参照したのは資治通鑑綱目?

※新規関連記事 資治通鑑綱目(国立公文書館 デジタルアーカイブ)

・次に李卓吾本。蜀が出てからは蜀の元号しか出てこない。八十回が判りやすい建安二十五年まで。魏ができているがその元号を使わず。
・別表1-1 幅が狭いほど内容が濃い、例、赤壁の戦い
・別表2-2 『三国志演義』李卓吾批評本と毛宗崗本における紀年表現一覧
 →No.12のように始皇帝の時期について書かれているのもある。
・資治通鑑はどの時期がわからないときはその年の終わりにまとめて書いているが、三国志演義は性格的に時系列に並べる。
・史書は両論併記はできるが、三国志演義はできない。→例。孫堅 ※例は「e.g.」だよね
 →孫堅の死が初平三年となっているが董卓の死とあわせると、干支だと初平二年が正しいと。
・三顧の礼を例に紀年表現はあとからつけられたのでは?と。
 →表記するとおかしくなってくるんで、毛宗崗はおそらく意図的に削ったのでは。 ・別表2-1 紀年表現の分布
 それぞれの版本の紀年表現の数。横軸に三国志演義の回、縦軸に数の折れ線グラフで、李卓吾批評本、毛宗崗本、毛宗崗本削除の3ライン。
・毛宗崗本の「序」で明確に「小説」とされる。ただし、それぞれの時代で小説の意味が違ってくる。
・「才子書」 ※書籍の種類
※なんか宮岸雄介先生の研究を思い出した。春秋左氏伝を引き合いにだすし。

※関連記事 魏晋の史学思想(富士大学紀要 第31巻第1号 1998年7月10日発行)

・「史伝」史書を読みやすくしたもの
●質疑応答の時間
伊藤慎太郎先生の質問 左伝と落とし込むのは?
上原先生の質問 史伝について 志伝について 小説全体を演義としたり。
 身長のことはわかっている人とわかってない人の手が入っているのでは?水滸伝では「七尺」を大男としての場合と小男の場合がある。

※新規関連記事 メモ:数寄語り 皇甫嵩戦記(岐阜県大垣市 時re風2023年9月15日)

※新規関連記事 三国志を知るために(兵庫県神戸市2024年2月15日22日29日,3月14日)

○休憩(15:35~15:50)

※次の記事 メモ2:三国志学会 第十八回大会(2023年9月3日)

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