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メモ:人形衣裳をつくる―三国志・平家物語―(2016年10月8日)


  • 2016年10月27日(木) 00:37 JST
  • 投稿者:
    清岡美津夫
  • 閲覧数
    1,860
ショー ※前の記事 メモ:三国志II 天翔ける英雄たち(日本テレビ、アニメ1986年8月22日)

 2016年10月8日土曜日。おそらく11時30分ぐらいまで国会図書館に居て、そこから永田町駅から東京メトロ有楽町線を通じて、市ヶ谷駅に行く。生憎の雨模様だけど、幸い、あまり雨のかかるところを通らない。市ヶ谷駅からベタに中央本線で代々木駅へ。

・Burger's Base
http://www.facebook.com/BurgersBaseCafediner

※関連記事 川本プロダクション、川本喜八郎人形ギャラリー展示委託業務終了(2016年3月31日)

 雨の中、小走りに急ぎ、Burger's Baseへ。8のつく日だから安くなっており、590円で佐世保バーガーにありつける。1階が満席なので2階に移った。雨の風景を見ながら食べる。美味しい。
 そこから山手線で渋谷駅へ。いつものように2階の陸橋をわたって、普通の店に入る漢字でエレベータにアクセスし8階に移動。前回訪問時から一ヶ月ぐらいしか経ってない
川本喜八郎人形ギャラリーの横をとおりすぎ、渋谷区防災センターの会議室へ。

・渋谷ヒカリエ/Shibuya Hikarie
http://www.hikarie.jp/

・渋谷区/川本喜八郎人形ギャラリー
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kihachiro_gallery.html

※関連記事 人形衣裳をつくる―三国志・平家物語―(2016年10月8日)

 12時40分ぐらいに到着。入場券代わりのハガキを渡し、会場をざっと見渡すとスタッフ(というより役人)以外は私が一番若いんじゃないかと思えるぐらいわりかし高い年齢層なお客さんだった。その中に哲舟さんとあいりんさんを見かけ会釈する。
 前には左から建礼門院と清盛入道が置いてあって、その向かって右に佐藤三郎先生、左に平井徹先生が座っていらっしゃった。

 以下、当日のメモに基づいて書き出していこう。
 三郎先生は『人形劇 三国志』や『平家物語』の衣裳を担当されたとのこと。近年では『ハッチポッチステーション』の人形の衣裳を担当されたそうな。今回の講座は平井先生の前からのお願いだそうで。
 平井先生によると、川本喜八郎先生が最後にファンの前にお姿を見せたのは、2010年5月3日の飯田市川本喜八郎人形美術館での三国志講座「『三国志』とその時代」第2部トークショーが最後とのことで、その年の8月23日に亡くなられた。

※関連記事
 三国志講座(飯田市川本喜八郎人形美術館、2010年5月3日9月5日11月21日)
 川本 喜八郎 先生 逝去 2010年8月23日

 そういうイントロから三郎先生の生い立ちの話で、「綺麗なものをめでるのは憚られる時代」という印象的なフレーズから始まり、「モンペの綺麗なものは陰口を叩かれる」という説明をされていた。清岡はNHKの朝の連続テレビ小説にそういったエピソードがあったなぁ、と思い出していた。
 三郎先生は幼いころ、縁日の時に(布の)端切れを見て楽しんでいたとのこと。川本先生もそういう少年だったとのこと。三郎先生は神田の下町(実家は食堂)にて小1から人形作り。川本先生は小学校から人形作り。やはりそういう趣味は男として引け目があったが、三郎先生の所は両親が寛容だった。ただし食えるかどうか疑問視していた、「女の遊びごとのようなもの…」と。
 ここで先ほどからちょいちょい出ていた、長沢節氏のセツ・モードセミナーについて。幼稚園の2階にあって、夜には不良のたまり場と、ネタになっていたそうで。どういう学校かというと、総演やドレスメイキングがあったそうで、女だけでなく男も習っていたそうで。三郎先生はカッター(裁断)で、三越百貨店のオートクチュールの下支えとなった。和装は習わなかったが周りに芸者がいて、口うるさい人がいたから自然と身についたそうな。歌舞伎も好きになったそうで。
 ここで平井先生が日本舞踊が得意と三郎先生のことを紹介すると、それはお兄さんの方だそうな。日本舞踊の稽古のエピソードも出ていた。
 学校を出て、人形の仕事をするようになった。朝日新聞が公募で人形展を開催する運びとなり、それはジャンルを問わないものだったそうな。三郎先生は二度佳作に入選したが、さらに上には特賞の辻村寿三郎先生がいらっしゃったそうで。授賞式では辻村先生も三郎先生も門外漢な扱いだったそうな。

 ちなみに清岡は前日の深夜に阿佐ヶ谷のスポーツバー「ミラニスタ」に居たんだけど、常連のムラタさんから今日の予定を尋ねられたんで、答えたら、この辻村先生の話題が出てきて、その場でネットを通じジュザブロー館などを見たりと、図らずとも今回の予習になっていた。

・新戦力のお披露目2 (※2016年10月8日の雑記)
http://cte.main.jp/calcio/blog.cgi?n=1197

・辻村寿三郎公式ホームページ
http://www.jusaburo.net/

・ジュサブロー館へようこそ
http://www.konishi.co.jp/html/jusaburo/

 仕事面で、アサヒビールのキャラクター、ほろにがくんが成功し、辻村先生も何本もつくったそうで、三郎先生の所に手伝いの依頼が来て、そのうち1本もたせてくれた、と。
 人形の絵本がダンロップ社から出て、海外23か国も出されたそうな。やはり作品によって人気はいろいろだそうな。マザーグースのものが多いそうで。
 やがて、一人でできるってことで、洋服の仕事をやめて人形作家となる。依頼は波があって、まとまってくるときも年にゼロの時も。
 そんな仕事の中にNHKの人形制作の手伝いがあって、例えば『お母さんといっしょ』とか。辻村先生は番組『八犬伝』を担当し、それに対し川本先生は『人形劇 三国志』を担当。川本先生がチェコへ行った話。
 『人形劇 三国志』や『平家物語』はとにかく数が多いそうな。三郎先生は衣裳の主任とのこと。川本先生のイメージは吉川英治『三国志』。三郎先生は『人形劇 三国志』よりも『平家物語』がやりたかったそうで。400体もあるので分業となったそうで。『平家物語』の方が資料が多いとのこと。より資料が少ない『人形劇 三国志』はファンタジーとも。
 川本先生が中国へ人形の衣裳の布を探しに行ったが全然なかったそうで。仏壇のがいいものがあったと。端切れは使い物にならず少なくとも帯ぐらいのまとまった大きさが要るとのこと。「戦争でなくなってしまった」と認識されていたが、清岡個人としてはそれは連環画と同じく文革の影響かな、と思った。
 それほど布集めには苦労されていて、東郷神社の骨董市などに足を運ばれていたそうな。そんな中、古着屋で使えそうな(中華風の柄の)帯を発見したことがあって、店の人に何に使うか尋ねられ、それがきっかけでその人が古着を供給してくれたことがあったそうな。『平家物語』もそうで、その時はこちらからの要求が届くようになったとのこと。『人形劇 三国志』も『平家物語』もチャンバラ。
 印象的な衣裳の一言で「翌週にはそれをそろえないと」というのがあった。いつも川本先生は小部屋で小さいモニタを見ながら人形の修理をしていたそうな。『人形劇 三国志』の人形は着たきりで。あとその小部屋にいてほとんど現場への口出しはされなかったそうで。
 そんな衣裳だけど勢力ごとにテーマカラーみたいなのが決められていたそうな。蜀漢は青で、魏は赤、呉は黄だったそうで。ちなみに『平家物語』は公家とエリート武士みたいなわけ方だそうな。清岡は『真・三國無双』を先取りしていると思った。下記関連記事から引用するなら「サポ板の書き込み(下記URL)を思い出し、清岡は「五行だと蜀漢が赤でそれ以外は黄色ですね。ゲームでは光の三原色に強引に当てはめているんじゃないですか」と答えた」かな。

※関連記事 大三国志展(物語でたどる三国志)

・国の色
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=2702

 雑兵の表現が難しいってことで、三郎先生曰く「今では旗差し物を立たせる」と。視聴者からのツッコミは常態だったそうで、一例として、建礼門院の衣の合わせ方はないというツッコミ挙げられていた。あとライトの光で衣裳の色がとぶ(退色する)そうで。今、それを防ぐために川本喜八郎人形ギャラリーではLEDのライティングをされているという。
 会場の前に置かれる清盛の法衣は蜀錦によるもので、中国では高価なものだそうな。

・蜀錦の貨幣的価値について
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=3508

 川本先生はにくい人が好きで、先生の贔屓で衣裳を描くそうで、清盛の法衣は本来、曹操に着させたかったものだそうな。
 操演の人はほとんどが女性だそうで。人形の比率は人間の身体比率と違うという。文楽の着物はぐしゃぐしゃなのはゆとりを持たせる必要があった。文楽は、飾る人形と違い機能面で庶民の方で発達したと。
 操演者は顔を下げるので、ヒジより上しか動かせないそうな。さらにテレビ的に操演者は腕を隠す必要があるため、嘘でも人形の裾を長くするそうな。この意匠は川本先生のオリジナルだそうで。今の川本喜八郎人形ギャラリー等での展示では立たせる部分を隠す役割を担っている。

 終了時刻の14時30分に迫っていたので、ここでご発表は終わりってことで質問タイムになる。他の方のご質問はメモってなくて、確か3番目ぐらいに清岡の番が回ってきたっけ。ともかく単に人形劇の番組を見ているだけでは知りようもない(作り手からの)貴重な話を聞かせてくださってありがとうございます、と申し上げ、川本喜八郎人形ギャラリーで作品を観賞し、前々から気になっていたことの質問を申し上げる。

※関連記事 メモ:赤壁 ─苦肉の計(川本喜八郎人形ギャラリー2014年4月25日-11月4日)

 上記関連記事にあるように孫権の服に蛾が描かれており、これは川本先生の指示によるものかどうか、というもの。
 指示があったようで、テーマありきでその布を探していたそうな。例えば平家は蝶々が象徴。もちろんあり物を使っていた場合もある。これは川本先生の人形に限ったことではなく歌舞伎ではそういう象徴ありきのことが多いそうで。

 「兵隊がワイワイと出てくる」という脚本では人形かが大変だったそうで。
 川本先生はさすがにご自身が作った人形には愛着があったようで、「すぐ死ぬ人(役)がイヤだ」とおっしゃっていたようで。あと人形の流用もあって、その人形のイメージが崩れるので、平井先生がこういった場で話すのは川本先生から止められていたそうな(具体的に伺ったが、そういう理由でこの場では具体的には書かず)

 という訳で講座は終了し、折角なので、前に置かれた人形の観賞会の時間が設けられていた。あと三郎先生関連の数々の絵本等の観賞も。


 結構、知り合いの三国志ファンがいらっしゃっていてこの後、自然とオフ会になるのかな、と思い込んでいた清岡は、特にそういうことも発生せず、大人しく山手線反時計回りで、移動することに。
 東京駅で中央線に乗り換えようとしたら寝過ごしてしまって、秋葉原駅で総武線に乗換え、さらに御茶ノ水駅乗換えの各駅停車。田町スタバ、御茶ノ水スタバ、代々木スタバ、中野スタバ、赤坂見附スタバ、阿佐ヶ谷スタバ、まよった挙句結局、新宿で降りる。

※関連記事
 KOEIならぬKEIO boyのたまり場だった | リスペクト記事(第3回)田町駅西口店(2016年8月14日)
 ノート:日本における三国志マンガの翻案過程(2012年6月23日)
 歴史酒場 銅雀台(2015年6月1日-2016年5月15日)
 1980年代日本における「三国志演義」翻案作品のファン層形成(2016年6月25日)
 【国会図書館への一応徒歩圏内】赤坂見附駅近くスタバはノマドに超機能的~三国志ニュース(第3,917回)赤坂見附店(2016年6月25日)
 『コミックトム』をM-GTA 1st step(2015年8月下旬)

 すっかり壊れてしまって変な角度を維持しないとPCから認識されないUSBメモリを買い換えるため、というよりデータ移動用に安いUSBメモリを買う。そこからスタバを求めてさ迷い歩く。というより、USBメモリより、昨日の国立国会図書館でのコピー代の方が高かったというネタ。
 ようやく辿り付いたスターバックス コーヒー 新宿三井ビル店。炊けど、満席だったんで、仕方なく別の店へ。

・新宿三井ビル店 | スターバックス コーヒー ジャパン
https://www.starbucks.co.jp/store/search/detail.php?id=0903

 行ったことのある新宿野村ビル店へ。そこは一人だとかろうじて座れる、しかも電源のある席があって、そこで落ち着くことに。

・新宿野村ビル店 | スターバックス コーヒー ジャパン
http://www.starbucks.co.jp/store/search/detail.php?id=919

 レシートによると、16時29分、アイス ショート ティー パッション 290円、税込みで313円を購入。健康状態的にコーヒーを受け入れられる自信がなかったので、これを試す…といっても最安値のアイスショートティー。風味はパッションで。ちゃんとロゴTEAVANAの入ったカップ 

 その後、20時ぐらいまで粘って店を出て、都営大江戸線で新江古田駅まで乗る。「すいばら」へ向かう。下記関連記事によると、一ヶ月ぶりぐらいか。

・すいばら
http://tinyurl.com/kvmtjdk

※関連記事 メモ2:三国志・君主と軍師・謀臣たち(川本喜八郎人形ギャラリー 2016年9月4日)

 豚モモブロック炙り焼きときのこの炊き込みご飯を美味しくいただく。他のお客さんが連れてきていた飼い犬の可愛さったら。
 22時17分、新江古田駅発の列車へ。東中野駅で中央線に乗換え、阿佐ヶ谷駅で降り、スポーツバー「ミラニスタ」に向かう。

※次の三国と無関係な雑記
・ほぼ記憶になし (※2016年10月8日の雑記)
http://cte.main.jp/calcio/blog.cgi?n=1212

※新規関連記事 魏晋文学-権力と抵抗-竹林の七賢(工学院大学 孔子学院2017年3月10日)

※新規関連記事 【対談】尽きぬ『三国志』の魅力(潮1998年1月号)

※新規関連記事 メモ:飯田オフ会(2016年11月5日)

※新規関連記事 メモ:三国志 漢室の風雲 千里行(2016年12月10日-)

※新規関連記事 中央本線東端の思い出巡り(2017年2月5日)

※新規関連記事 中国古代化学(2017年9月)

※新規関連記事 メモ:人形に生命を吹き込む(2018年3月17日)

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