序章
問題提起/先行研究および既存の三国志像と、本書の視座/「正統」の語について
第一章 陳寿の尊晋と『三国志』
陳寿の生涯と同時代評価/陳寿の三国描写/陳寿の「不遇」と『三国志』/『三国志』の示した意義
第二章 『後漢書』荀彧伝と范曄の「天下三分」観
荀彧の「漢の忠臣」化/范曄の三国論
第三章 再士官への希望と曹操評価―『漢晋春秋』の「蜀漢正統論」について
両晋南北朝期の三国人物論/初の「蜀漢正統論」とその実態/曹操に投影された桓温の影
第四章 江東寒門の怨念と孫呉正統論の挫折―干宝『捜神記』を中心に
孫呉正統論の胚胎/干宝と孫呉/于吉と干吉
第五章 『世説新語』の三国描写と劉義慶
『世説』は蜀漢正統論の書か/『世説』と三国正統論/名門の称揚と反曹/『世説』撰者は誰か/文帝の皇弟抑圧と「皇弟」劉義慶/ふたりの「文帝」/司馬炎への批判的筆致と『晋書』/「皇弟」と潁川荀/『世説』の編纂時期と劉義慶
第六章 唐代における史学の展開と三国論
曹魏の位置づけと禅譲/李世民と曹操/『史通』の曹魏描写と劉知幾の唐朝観
第七章 澶淵の盟と曹操祭祀―真宗朝における「正統」の萌芽
北宋朝の曹魏尊崇/『冊府元亀』の三国正統論/真宗朝の曹操尊崇/三国志観の一大画期
第八章 宋代における三国論の展開と「正統」
北宋中期以降の三国論/正統論の確立者/蘇軾と三国志観の過渡期/『資治通鑑』に見る三国の「正統」/二程から朱熹へ/宋儒の三国観と孟子受容/「正統」の語について
終章
まとめ/三国志観の画期と「正統」/中国を映す鏡としての三国志
文献表/あとがき/索引
A5判 364頁 2015年7月発行 ISBN978-4-87636-397-1
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