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新出魏晋簡牘をめぐる諸問題ノート3


  • 2012年7月10日(火) 23:58 JST
  • 投稿者:
    清岡美津夫
  • 閲覧数
    1,288
研究 ※目次 新出魏晋簡牘をめぐる諸問題ノート(2009年9月13日)

※前記事 新出魏晋簡牘をめぐる諸問題ノート2

○講演 長沙走馬楼三国呉簡所見給吏与吏子弟──兼論漢代的給事

 15:15ごろに司会の佐川英治先生(当時、岡山大学)から侯旭東先生の紹介、著作や長沙走馬楼呉簡の研究についてが入り、侯旭東先生(中国・清華大学、呉簡研討班)の公演が始まる。
 清岡は中国語を解さないため、割愛。レジュメ、というより論文はA4で15枚15ページ。見出しにP.2「一、漢代的給事与給吏」、P.9「二、孫呉的給吏与吏子弟」、P.14「三、結論」があった。その末尾によると、「2007年11月初稿/2008年3-7月二稿/2009年7-8月三稿」とのこと。
 14:10ごろに終了。佐川先生から講演について講評がある。二つに分かれていて、一つは呉簡中に見える、「給吏」、その語源と、漢代の「給吏」の元が「給事」になること、「給事」の類例が4パターン紹介された。その内容が民事的に官府に伝える、官僚が他のに伝える、民衆が官府に民事的に伝える、身分は元のままだが民事的に別の仕事をする、これが「給事」の意味内容。それが東漢以降、「給吏」という名称に変化する。その「給吏」はあくまでも通称。具体的には「給事佐」「給事令史」。その背景についても触れられた。続いて呉簡における「給吏」と「吏子弟」という言葉を取り上げ、詳細に検討され、いろんな問題を提起されたが、基本的には田家における給吏、この性格が給吏に当てはまるのではないか。もう一点は「吏戸」というものがこの時代に存在したかどうかについて名籍の内容から検討された。吏戸という特殊な家は成立する過程にあるのではないか。

 質疑応答に移る。
Q. 「給事」という場合の「事」はどういう意味と考えるか。
A. この場合の「事」もやはり「役」の意味である。ただ「役」の意味自体、広い意味がある。
Q. そうすると例えば「給事黄門侍郎」の「事」も「役」の意味か?
A. 本来的には「役」の意味と考えている。

Q. なぜ下戸から給吏をとるのか。
A. 一種の社会福祉政策の意義があるのではないか。給吏になれば次に、吏になるチャンスがあるわけで、貧しい下戸に対してそういうことをしたのではないか。これはあくまでも私の推測であり、はっきりとした情報は今のところ、ない。

Q. 例えば『漢書』百官志を見ると、文献のところには長吏と小吏が居る。長吏も小吏も、給料を払う、これが吏だ。ところが給吏が徭役だとすると、給料をまったく払わないことになる。そうするとその給料を払う小吏に当たる者と、給吏という者に差はあるのかないのか。給吏であっても、倫理的にいくらか払うとなれば、末端に含まれる気がし、そういう区別はどう考えたら良いか。
A. 元々の所属機関にあるのではないか。給吏になる前の身分のところで。それが民衆の場合、給料はなくて食事が提供される。

Q. 民戸が給吏になった場合、税役負担の有り様をどう考えればよいか。例えば給州吏の場合、1.3323簡で「給州吏復」の「復」をどう解釈するか。この「復」が徭役だと、あるいは税と役を合わせたものだと、おそらくいろいろ見解はあるだろうが、これが免除になっているわけで、これだけ免除になっていれば、データの中でどう考えれば良いか。
A. ここに一個だけ出てくるのは、徭役を免除する意味だと思う。ただ給州吏というのは元々、徭役を免除された存在だから、結局、これは同じ事をくり返している訳で、一種の、ついつい余計に書き足したものだと思う。

Q. これが州吏だけというのは引っかかる。というのも、吏民田家莂で、州吏にかかる数は(上言で違ってくる)。そのことと関係あるのかどうか。この簡で上がっているのは身分が「公乗」で、ご存知の通り、長沙呉簡は「公乗」しか出てこないが、「公乗」でないものはあるのかないのか、もしないとすれば関係あるのかないのか。
A. そこまで検討したことがないので、改めて検討したい。
A. 補足情報としてある時期から「公乗」という爵位を書かなくなる。確信をまだもっていないが、嘉禾年間のある時期に民籍の書き方に変化が生じ、「公乗」を書かなくなったと思っている。特に給吏と「公乗」という爵位の関係は特別な関係があるとは現在、思っていない。

Q. 走馬楼呉簡の中の話になるが、今回は「給吏」についてだったが、今まで公表された呉簡の中には「給吏」という形以外にも、「倉父」、「郡園父」という例があるが、こういったものが給吏の中にふくまれるのか、給吏とまったく同じに扱っていいのか、扱って良い場合、なぜこの人達は縣吏とか郡吏とか呼ばれていないのか、以上のことに考えがあれば聞かせていただきたい。
A. 給吏とそれは違う。そういったものは三十以上ある。給吏はその中の一部。「給」は付く場合と付かない場合がある。例えば「養官牛」以外にも田圃を耕すようなそういったものもあり、非常に豊富だ。この「養官牛」の問題は結構、面白いので、今度出る、第4節の中に牛を養うことについて冊子がある。
A. おそらく本来のこの人たちの限田を耕すのが「給」だろう。

Q. (レジュメの)7ページの終わりから8ページの始めの居延新簡の釈文で、これは以前、私も論文で使ったことがあって、官吏の任命にかかわる資料として使った。指摘のとおり、冒頭の「給事補者」は注意していなかった。ここで「給事」であることから、例えば3.の簡で、梁普という人が甲渠候官の尉史に除されているが、これは正式な官だ。しかし、これは以前、どこかで給事していて、その成績が良かったので尉史に任官した、そう理解してよろしいか。
A. 十分に細かく考察していないが、基本的にはその考えだ。2.の簡で、長い間、鄭駿のポストが空いて、その期間に、梁普が給吏を使って、認められ正式にその官に就いた。
Q. そうすると、どのように、5.の簡の亭長であった孫况が、成績がよかったので、正式に除補されたとあるが、これは給事ではないという理解で良いか。
A. これも同じように亭長という身分で以て給吏として働いて、そして正式にそうなった。
Q. そうすると、1.の簡の読み方はどうか。
A. 吏遷と斥免というのは物事の原因を書いたもので、そういった原因によって給事から欠員を補ったという意味だ。

Q. (レジュメの)4ページの終わりの方で言っていたが、給事という問題、給吏という問題を中国史の中でどう捉えているか伺いたい。給吏は後の時代の前段階として考えるのか、この時代の特殊なものとして考えるのか、どちらで考えているか。
A. 確かに吏の地位が漢代を伝わっていく。基本的に儒教思想の拡大とかそういうことをいう。今回の給吏の問題は、そういった身分の問題というより、一つの仕事のあり方として、こういうことは漢代から引き続いてあったものではないか。

 16:50終了。満場拍手。

 そして伊藤敏雄先生より閉会の挨拶が行われ終了。

※2013年8月リンク追記
・購入(13/08/02)
http://sekio516.exblog.jp/20880655/
※長沙市文物考古研究所「湖南長沙五一広場東漢簡牘発掘簡報」『文物』2013年第6期,2013年6月、pp.4-26によると「後漢時代の簡牘が5桁規模で出土した」そうで、「「丘」が後漢時代にかなり広汎に置かれていたらしい」、「その丘が「亭」の管轄下にあったらしい」とのこと。



 一般公開された国際ワークショップで、まったくの主観だろうが、それがとても閉鎖的な雰囲気に感じそれに当てられたのか、途中から吐き気をもよおすようになり、閉会すると、逃げるようにその場からそそくさと立ち去った。そしてどこにも寄らずホテルに直帰。


<2年5ヶ月後の国際ワークショップ「湖南出土魏晋簡牘をめぐる諸問題」ノートに続く>

※追記 中国都市論への挑動(2016年3月31日)

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