※関連記事
ノート:連環画は中国特有の『マンガ』なのか?その絵本としての可能性を探って(2012年2月15日)
上記関連記事を書くにあたり、ネットで「"連環図画三国志"」と検索すると、下記の筑波大学附属図書館のサイト内の下記企画展ページに行き当たる。
・筑波大学附属図書館 University of Tsukuba Library
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/
・筑波大学附属図書館平成18年度企画展 中国三大奇書の成立と受容
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/exhibition/sandaikisho/
つまり、2006年10月2日月曜日から27日金曜日まで筑波大学附属図書館にて筑波大学附属図書館平成18年度企画展「中国三大奇書の成立と受容」が開催されたという。図書館での展覧会というと、下記参照記事を連想する。
※参照記事
三国志を読み解く―山田図書館企画展示―(2009年8月25日-9月17日)
それで展覧会名にもなった「中国三大奇書」は何を指しているのだろう?と疑問を抱く。というのも下記関連記事にあるように、『三国演義』『水滸伝』『西遊記』『金瓶梅』の「四大奇書」は聞き馴染みがあるのだが。
※関連記事
「四大奇書」の研究(2010年11月10日)
前述の企画展ページによると、「中国三大奇書」は「三国志」「水滸伝」「西遊記」のこと。ベタに羅貫中『三国演義』を「三国志」と呼んでいるのだろう、と思ったが、他のページを読んでいくとそうでもないらしい。
それが一番、顕著に現れているのが、「展示内容」→「第1部 中国での成立」とリンクを辿ったページだ。そこには「三大奇書も『三国志』には三国時代(220-280) を記録した史書、陳寿著『三国志』があり」と書かれている。また、それが企画展全体の認識であると示すように、このページの壁紙になる漢文は以下の文に句点や括弧を抜いたものであり、『三国志』巻二魏書文帝紀注所引『献帝伝載禅代衆事』からのものである。
稱今日。今吾德至薄也、人至鄙也、遭遇際會、幸承先王餘業、恩未被四海、澤未及天下、雖傾倉竭府以振魏國百姓、猶寒者未盡煖、飢者未盡飽。夙夜憂懼、弗敢遑寧、庶欲保全髮齒、長守今日、以沒於地、以全魏國、下見先王、以塞負荷之責。望狹志局、守此而已;雖屢蒙祥瑞、當之戰惶、五色無主。若芝之言、豈所聞乎?心慄手悼、書不成字、辭不宣心。吾閒作詩曰:『喪亂悠悠過紀、白骨縱橫萬里、哀哀下民靡恃、吾將佐時整理、復子明辟致仕。』庶欲守此辭以自終、卒不虚言也。宜宣示遠近、使昭赤心。」於是侍中辛毗・劉曄・散騎常侍傅巽・衛臻・尚書令桓階・尚書陳矯・陳羣・給事中博士騎都尉蘇林・董巴等奏曰:「伏見太史丞許芝上魏國受命之符;令書懇切、允執謙讓、雖舜・禹・湯・文、義無以過。然古先哲王所以受天命而不辭者、誠急遵皇天之意、副兆民之望、弗得已也。且易曰:『觀乎天文以察時變、觀乎人文以化成天下。』又曰:『天垂象、見吉凶、聖人則之;河出圖、洛出書、聖人效之。』以為天文因人而變、至于河洛之書、著于洪
まさか企画展の企画者が『三国志』を含めた「中国三大奇書」を独自に選定したとは考えにくいので、「組織ぐるみの無知蒙昧」をネットを通じ世界へさらけ出している形となっている。
・大塚先生とスタッフからのひとこと(最終回) (※企画展のブログ記事)
http://d.hatena.ne.jp/sandaikisho/20061102
そう言った姿勢が上記ブログ記事から下記へ引用するような誤字へと誘ったのだろうか。教育的配慮で書くが正しくは「武侯祠」だ。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
とっても中国に行きたくなってきた。
よし。来年は成都武候祠に行くぞ!
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以前、下記関連記事で「私の精神衛生や生産性を鑑みると、そこらへんの日本における「正史」誤認史みたいなのをいつか研究テーマにしたいところ、いつか書きたい『三国志』「正史」誤認史だ」と書いたが、その時にはこの「組織ぐるみの無知蒙昧」は記述したいところだ。
※関連記事
第23回下鴨納涼古本まつり(京都古書研究会)
※追記
三国志学会(西)勝手にスピンオフ図書館見学ツアー(2012年9月9日)
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