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十大三国志ニュース2011 前編


  • 2011年12月29日(木) 23:07 JST
  • 投稿者:
    清岡美津夫
  • 閲覧数
    2,311
ネット  ほぼ毎回、年末年始になると何かと十大ニュースみたいな記事を書いていた。前回は年始にNPO三国志フォーラムの第3回総会があって(下記サイト沿革ページ参照)、そこで「三国志界の動き」みたいな体で報告することになったため(というか自発的にしたんだけど・笑)、力を入れて書いていた。

・NPO 三国志フォーラム
http://www.sangokushi-forum.com/

 だけど、今回の年末年始は特にそういうこともないため、より気軽に書いてみよう。まずは今回への流れでおさらいがてらだけど、昨年はどうだったかというと次のようになる。ついでに関連する記事をまず挙げ、それぞれのニュースにその後(つまり今年)どうなったか、誤解を恐れず端的に書いてみよう。

●十大三国志ニュース2010

※関連記事 十大三国志ニュース2010 前編

■地上波で四月にアニメ四本の放送 →消滅
■三国伝のメディア戦略 →完了
■学術イベントに見られる安陽西高穴大墓の影響 →書籍化

※関連記事 十大三国志ニュース2010 中編

■新たに加わる定番イベント →定着
■個人規模でも音声や動画をネット配信 →停滞
■Twitterが三国志ファンにも浸透 →浸透拡大

※関連記事 十大三国志ニュース2010 後編

■ソーシャルゲーム、iPhoneアプリ流行の後押しで。 →拡大
■ポストレッドクリフを狙ったドラマ? →定着
■戦国系と比べると寂しい真・三國無双10周年 →反転上昇
■なぜか司馬懿プッシュ →拡散定着

ご覧のように、前回はなるべく多くのトピックを入れようとして大まかな項目になったが、今回はそれ程、力を掛けたくないので、不足を怖れず、よりピンポイントにしていこう。

※中編 十大三国志ニュース2011 中編

※後編 十大三国志ニュース2011 後編


■真・三國無双6 3月10日発売

※関連記事 ゼロ年代を振り返って十大ニュース

 上記関連記事で触れたゼロ年代での十大ニュースの一つ、2000年の分に「8月3日 コーエー(オメガフォース)/制作『真・三國無双』(プレイステーション2用アクションゲーム)発売」を挙げたが、その10年後にあたる前年の「十大三国志ニュース2010」にて、それを下げる形で「戦国系と比べると寂しい真・三國無双10周年」のニュースを挙げた。しかしながら、10周年の次の年の3月10日に発売されたPlayStation 3(PS3)用ゲーム『真・三國無双6』からそのメーカーのコーエーテクモゲームスが『真・三國無双』シリーズで販売攻勢に出た感がある。

・真・三國無双6
http://www.gamecity.ne.jp/smusou6/

※関連記事 真・三國無双6(2011年3月10日)

 まず『真・三國無双6』を「真・三國無双」10周年記念タイトルに位置付け、『真・三國無双6』の発売前の2010年10月26日に「『真・三國無双6』発表会」が赤坂BLITZにて開催され、2011年3月1日から「吉本無双」が本格始動し(但し7月下旬にアクセス制限が掛けられた)、それまでのタイトルに比べより大きな規模のプロモーションを行った。

※関連記事
 『真・三國無双6』発表会(2010年10月26日)
 吉本無双(2011年3月1日本格始動)

 発売後も、いつもの攻略本となる『真・三國無双6 コンプリートガイド』上が発売日近くの2011年3月上旬に売り出したのを皮切りに、3月下旬にその下巻が発売され、2011年3月下旬に『真・三國無双6 公式設定資料集』、2011年10月下旬に『真・三國無双6 シナリオコレクション』の書籍が発売された。

※関連記事
 真・三國無双6 コンプリートガイド 上(2011年3月上旬)
 真・三國無双6 公式設定資料集(2011年3月下旬)
 真・三國無双6 シナリオコレクション(2011年10月下旬)



 CD・DVD関連も発売され、2011年4月13日発売の『真・三國無双6 オリジナル・サウンドトラック コンプリート』以外にも2011年5月25日発売のキャラクターソング集『真・三國無双6 王覇・響歌乱舞』、2011年10月12日発売のバラエティCD『真・三國無双6 烈星・衝天煌舞』が挙げられる。そのキャラクターをフィーチャーした流れの一環として、2011年9月11日に声優イベント「真・三國無双 声優乱舞 2011秋」が開催され、その模様を収録したDVD『ライブビデオ 真・三國無双 声優乱舞 2011 秋』が2011年12月21日に発売した。

※関連記事
 真・三國無双6 オリジナル・サウンドトラック コンプリート(2011年4月13日)
 真・三國無双6 王覇・響歌乱舞(2011年5月25日)
 真・三國無双6 烈星・衝天煌舞(2011年10月12日)
 真・三國無双 声優乱舞 2011秋(2011年9月11日)
 ライブビデオ 真・三國無双 声優乱舞 2011 秋(2011年12月28日)



 それまでの『真・三國無双』シリーズより関連商品(グッズ)も充実しており、2011年3月下旬発売の『真・三國無双カード』、2011年3月16日発売の『真・三國無双6 英傑ミニフィギュア』Vol.1、2011年4月8日発売の『真・三國無双6 ミニキャラキーホルダー』、2011年7月下旬発売の『真・三國無双6 トレーディングマイクロファイバータオル』、2011年11月2日発売の『みにきゃら真・三國無双 ポストカードカレンダー 2012』がある。

※関連記事
 真・三國無双カード(2011年3月下旬)
 真・三國無双6 英傑ミニフィギュア Vol.1(2011年3月16日)
 真・三國無双 10th アニバーサリー グッズ(2011年2月上旬)
 みにきゃら真・三國無双 ポストカードカレンダー 2012(2011年11月20日)



 もちろん『真・三國無双6』ゲーム自体でも派生商品が発売している。『真・三國無双6』のシステムやデザインをベースにPSP用ゲーム『真・三國無双6 Special』が2011年8月25日に発売し、2011年9月29日にPS3用ゲーム『真・三國無双6 猛将伝』が発売した。また、『真・三國無双6』のキャラクターデザインが共通で、2011年12月17日にPS Vita用ゲーム『真・三國無双 NEXT』が発売し、2011年12月22日にPS3/Xbox360用ゲーム『無双OROCHI2』が発売し、また年を越した2012年3月15日にニンテンドー3DS用ゲーム『真・三國無双 VS』が発売予定であり、それほどまで影響力を見せている。なお、『真・三國無双6』をはじめ発売するタイトル全てには発売後、DLC(ダウンロード・コンテンツ)の販売が何度か長期間に渡り行われ、消費者にとって良いか悪いかは別として、作品のライフタイムバリューを高め、新たな商法を確立しつつある。

※関連記事
 真・三國無双6 Special(2011年8月25日)
 真・三國無双6 猛将伝(2011年9月29日)
 真・三國無双 NEXT(2011年12月17日)
 無双OROCHI2(2011年12月22日)
 真・三國無双 VS(2012年4月26日)




■KOBE三国志ガーデン 3月19日開設

・神戸市:トップページ
http://www.city.kobe.lg.jp/

・神戸市:来春「KOBE三国志ガーデン」開園
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2010/09/20100930164201.html

※URL追記。2011年3月18日発表分
・地下鉄駒ヶ林駅に副駅名(三国志のまち)を命名
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2011/03/20110318704101.html

※URL追記。2011年5月30日発表分
・第3回 鉄人と三国志のまちづくりイベント企画案の募集について
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2011/05/20110530250901.html

※URL追記。2011年12月28日最終更新
・神戸の再開発 新長田駅南地区
http://www.city.kobe.lg.jp/information/project/urban/redevelop/nagata.html

 報告の義務があるためリンクを張らずURLのみ示すが上記の神戸市のプレスリリースによると、「平成22年度神戸市当初予算発表時の名称は(仮称)「神戸三国志館」」だった施設、「KOBE三国志ガーデン」(上記プレスリリースより)が2011年3月19日に開設された。名前の通り三国志に特化した施設だ。
 海外での三国施設は無錫三国城が有名だ。

※参照記事 守屋洋先生と行く『三国志の旅』4泊5日(2011年11月4日-8日)

 国内でもこれが初でなく、すでに1998年9月13日に山口県熊毛郡大和町(現光市)にて「石城の里 三国志城」が開設されている。

※関連記事 「石城の里 三国志城」設立10周年

 また「KOBE三国志ガーデン」と同じ管理運営者のNPO法人KOBE鉄人PROJECTによる施設である、2009年8月23日プレオープンの「三国志館」、2009年12月6日に「KOBE鉄人三国志ギャラリー」が開設され、同じ新長田地区にはその他、三国志にちなんだ施設や石像がある。

・KOBE鉄人PROJECT(神戸鉄人プロジェクト)鉄人28号&横山光輝三国志
http://www.kobe-tetsujin.com/

※関連記事
 「石城の里 三国志城」設立10周年
 「英傑群像」グッズショップ開設予定(2009年12月6日)

 言い換えると、神戸市からの大規模な資本を背景にNPO法人KOBE鉄人PROJECTにより兵庫県神戸市の新長田地区が、その団体名にもある横山光輝/著『鉄人28号』(マンガ)と横山光輝/著『三国志』(マンガ)中心の三国関連の色に染められる。その動きの象徴的な施設が「KOBE三国志ガーデン」だ。
※追記。URLで前述したように2011年3月19日に・地下鉄駒ヶ林駅の副駅名を「三国志のまち」としていることからもその動きは明らかだ。

・三国志ガーデン
http://www.3594garden.com/
三国志ガーデン

※関連記事 KOBE三国志ガーデン(2011年3月19日)

 この項目の冒頭で触れたプレスリリースに「「鉄人と三国志の街」として賑わいづくりが進められている新長田地区」とあるように、「さかなと鬼太郎のまち 境港市」モデルの街おこしを連想させ、そういう意味での三国関連としては国内初なのだろう。関連性がより薄い等、鳥取県境港市との相違が、興亡に影響するかどうか、三国志ファンとしてこれから先も注目だろう。
 すでに今年、三国情報発信の拠点として次のような関連記事にある如く、多種多様な企画が行われていた。

※関連記事
 4月のKOBE三国志ガーデンでのイベント(2011年4月10日-)
 8月のKOBE三国志ガーデンでのイベント(2011年8月)
 11月以降KOBE三国志ガーデン内イベント(2011年11月-)
 三国志図書館化計画(KOBE三国志ガーデン)
 Merry三国志 in KOBE三国志ガーデン(2011年12月23日(祝)-25日(日))

<追記>
・テレビ朝日|テレメンタリー
http://www.tv-asahi.co.jp/telementary/

 上記番組ページにあるように、関西の放送局ABCテレビにて2012年1月15日1:00-1:30にドキュメンタリー番組『テレメンタリー2012』が放送され、その回は「復興という名の地獄 震災から17年 神戸で今…」というものだった。そこでは三国関連には触れてなかったが、気に掛かることがあったので記しておく。
 番組はおそらく1995年1月17日の淡路沖神戸大震災の日に合わせて制作されたもので、震災被害が大きく、「西日本最大級の復興計画」と称された神戸市の計画の対象とされた新長田地区の商店街を取材対象としていた。まずその商店街のいろんな店主へのインタビューがあり、現状で店の売り上げが震災前の三分の一や、収益が震災前の二割などの声が出ていた。また固定資産税が高い、管理費が高い、閉店休業の貼り紙が目立つ、「震災で無事だった店舗も、ここで商売するなら再開発の話に乗らないといけない」等の不満点が出ていた。
 その番組のメインは次のような問題のだった。震災前からの商店主らは復興計画で立てられた高層ビルに分譲という形で入居し、後に神戸市はそのビルの店舗の賃貸も始めた。しかし1階部分はともかく2階や地下部分の空き店舗が多く、それ以上それを増やさないために神戸市が特定業者に対し家賃の値下げを始め(もしくは神戸市が内装工事費の肩代わりをして事実上の値下げ)、震災前からの商店主らに不公平が生じたという。実際、2011年2月に「一部だけの優遇は不公平だ」とのことで、商店主らが減税求めて神戸市に陳情書を提出したとのことだ。この状況は「復興災害」とも言われているらしい。しかし神戸市は「空き店舗以外失敗はない」としている。
 ここで気になったのが、この問題と「鉄人と三国志の街」としての賑わいづくり(街づくり)との関係だ。番組では単に商店街の映像として横山光輝/著『三国志』(マンガ)の人物が描かれた垂れ幕が映り込むぐらいで、関連性については全く言及はなかった。だからこそ余計に注目してしまったので、軽く検索してみると、下記のような神戸市市長への定例会見を見かける。

・定例会見 2010年(平成22年)12月22日
http://www.city.kobe.lg.jp/information/mayor/teireikaiken/h22/221222.html
 ※このURLのページで「三国志」とページ内検索すればよい

 勝手に要約するに、鉄人で注目を集めている割には、前述した空き店舗の問題、いわゆる「一歩入ればシャッター商店街」の問題がある点についてどう考えているか、記者が市長に尋ねたところ、「鉄人と三国志の街」としての賑わいづくりは実を結びつつあるという見解を出すことで市長が応えていた。その後、記者は前述の不公平について質問している。
 また、政治に関わることなので敢えてリンクはしないが(気になる方は後述の語句で検索)、ある県の議会議員の視察報告のブログ記事では「『鉄人と三国志』の街づくりに税金を投入しても、事態は変わらず」(※「事態」は「一歩入ればシャッター商店街」のこと)との商店主からの声を記録している。この商店主は前述の『テレメンタリー2012』でも取材されていた方で、放送では「『鉄人と三国志』の街づくり」の所は触れられて居なかった。
 ここで気になる点を言語化できた訳だけど、それは「鉄人と三国志の街」としての賑わいづくりは、本当に被災した方々のためになっているのか、という点だ。あるいは今、結果を求めるのが早計であれば、今までの状況から「鉄人と三国志の街」としての賑わいづくりは、これから先、本当に被災した方々のために成果が上がるのか、という点だ。正直に言えば、自分と利害のない団体がどうなっても良いんだけど、それで好きな『三国志』(マンガではなく陳寿の史書)を悪く思われるのは我慢できないところだ。できれば定期的に第三者機関(市長の見解ではなく)による評価を受け、それで採算がとれる見込みがなければ、計画を白紙に戻してほしいところだね。
<追記終了>

 似たようなニュースで次点となるのが、2011年6月4日より東京都世田谷区に「三国志酒場銅雀台」が開店したことだ。『三国志』をテーマにしたコンセプチュアル・バーはすでに新潟県新潟市や高知県高知市に居酒屋「三國志」があり、高知県高知市に「関羽 居酒屋」があり、愛知県名古屋市に三国志的飲み家『いっぽ』があるため、選外となった。

※関連記事
 三国志酒場銅雀台(2011年6月4日-2012年2月11日)
 2007年3月16日エレ片のコント太郎(TBSラジオ)
 居酒屋「三國志」(高知県)
 関羽 居酒屋(高知県)
 第7回三国志de night-新年祭-(2011年1月29日)

※中編 十大三国志ニュース2011 中編

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