・岩波書店ホームページ
http://www.iwanami.co.jp/
上記出版社のサイトをあれこれ探ると、下記の3つのページにそれぞれあるように『三国演義』を題材とした三種の絵本が出てくる。
・十万本の矢
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/11/1/1106360.html
・編集部だより 絵本
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/jidou/j1104/111225.html
・編集部だより 絵本
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/jidou/j1104/111224.html
上記ページによると、岩波書店より1997年11月6日に唐亜明/文、于大武/絵『三国志絵本 十万本の矢』(ISBN4-00-110636-1)が1785円で、2011年4月6日に同文同絵『三国志絵本 空城の計』(ISBN978-4-00-111225-2)が1680円で、2011年4月6日に同文同絵『三国志絵本 七たび孟獲をとらえる』(ISBN978-4-00-111224-5)が2310円で発売したという。三種とも「小学3・4年から」と絵本としては結構、高年齢向けなのかな。
三種の絵本についてその内容紹介文を前述の出版社サイトの該当ページからそれぞれ下記へ引用する。
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戦乱に明け暮れた中国の三国時代,呉の周瑜は,蜀の孔明の才気をねたみ,命をねらっていた.その挑戦をうけて,わずか3日間で10万本の矢を用意する約束をした孔明.夜明けの深い霧の中,長江に船出した孔明がえがいた計画とは? 中国古典の名作『三国志演義』の痛快なエピソードを絵本化.
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部下の失敗により,ほとんど兵力がないまま,15万の敵軍と向き合うことになった孔明.人々があわてふためくなか,孔明は,迫りくる大軍を前に,城門を開け放つよう命じます.そして自らは城の上にあがって,静かに琴を弾きはじめるのでした.三国志の名軍師,諸葛孔明が,知恵を使って敵のうらをかく,痛快な物語.
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平和がつづいていた蜀の国に,ある日とどいた反乱の知らせ.暴れ回る南蛮王孟獲をしたがえるために,孔明がとった作戦とは? 三国志の名軍師,諸葛孔明と,孟獲はなんと七度も対決します.象や虎の軍隊に,火をふく戦車! 迫力ある戦いの場面に,極彩色ゆたかな南方の風俗をたっぷり描きました.
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『三国志絵本 七たび孟獲をとらえる』についてはそのタイトルから一見、下記の『三国志』巻三十五蜀書諸葛亮伝注引『漢晋春秋』の「七縱七禽」を題材にしているように思えるが、
・『三国志』巻三十五蜀書諸葛亮伝注引『漢晋春秋』
亮至南中、所在戰捷。聞孟獲者、為夷・漢所服、募生致之。既得、使觀於營陳之閒、問曰:「此軍何如?」獲對曰:「向者不知虚實、故敗。今蒙賜觀看營陳、若祇如此、即定易勝耳。」亮笑、縱使更戰、七縱七禽、而亮猶遣獲。獲止不去、曰:「公、天威也、南人不復反矣。」遂至滇池。
先に引用した内容紹介文、例えば「象や虎の軍隊」あたりを見ると、小説の『三国演義』の「第九十回:駆巨獣六破蛮兵、焼藤甲七擒孟獲」を題材にしてそうだ。前二種の絵本にしても、『三国志』等の史書を題材にしているというより、それぞれ『三国演義』の「第四十六回:用奇謀孔明借箭、献密計黄蓋受刑」、「第九十五回:馬謖拒諫失街亭、武侯弾琴退仲達」を題材にしているのだろう。つまり「三国志絵本」と銘打つよりは「三国演義絵本」とする方がより正確なんだろうね。
三国作品の絵本といえば下記関連記事を思い出す。
※関連記事
三国志:燕虎物語(2010年11月)
※追記
議事録:三国創作における視覚的研究材についての情報交換会(仮題)(2012年7月5日)
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