※前記事
私的メモ1:三国志ワーズネットの展望
三国志と無関係なところから始める。
・京都国際マンガミュージアム
http://www.kyotomm.jp/
※関連記事
メモ:大半の三国創作と二次創作の相似点
昨日2010年5月23日日曜日、上記サイトの展示・イベントのカレンダーにあるように、京都国際マンガミュージアムにて京都精華大学国際マンガ研究センター 学術シンポジウム「マンガ×ミュージアム脱限界論-マンガ表現規制問題をめぐって-」が開催された。前半が各出演者による学術報告で、後半がパネルディスカッションだ。
その様子は下記リンク先にあるように、同ミュージアム発信でネットにて配信されている(5月24日現在試聴できる)。
・京都精華大学国際マンガ研究センター 学術シンポジウム マンガ×ミュージアム脱限界論-マンガ表現規制問題をめぐって-
http://www.ustream.tv/recorded/7142577
・京都精華大学国際マンガ研究センター 学術シンポジウム マンガ×ミュージアム脱限界論-マンガ表現規制問題をめ ぐって-(2)
http://www.ustream.tv/recorded/7145553
※追記
おもしろ三国志アワー(2010年7月1日より毎週木曜)
興味対象が異分野の身ながら、あれこれ得るところが多く考えさせられることばかりだった。今、真っ先に思い出すのはマンガ評論家の伊藤剛さんのご報告にて、出ていた現実の人物・事象と漫画等の劇中で出てくるキャラ(いわゆる「非実在青少年」含む)との違いのところだ。上記動画等で特に見返していないので、間違っているかもしれないが、その一つの例で俎上に乗せられていたのが、茨城県下妻市の公式キャラクターのシモンちゃん、それから、手塚治虫/著『低俗天使』(1975)のジュジュだ。
・シモンちゃん:下妻市公式ウェブサイト
http://www.city.shimotsuma.lg.jp/shimon_chan/
シンポジウムの主旨からいくと、現在流通しているようなどぎつい漫画を資料として持ち込んで提示するのが筋だが、それだと即座に拒否反応を示され、それ以上、議論が進められない恐れがあるため、その真逆のお役所のキャラや手塚のキャラを持ってきて説明したという。その上でのネタの一つに、シモンちゃんの前頭部に一房跳ねている毛、通称「アホ毛」のルーツはジュジュだということをおっしゃっていた(現在、Wikipediaにも書かれている)。それを聞きつつ、あるいはプロジェクターに映し出された資料を見つつ、東浩紀さんの著作にてキャラの説明でこうやって要素に分ける概念が提示されていたなと思い出していた。
こういうようなキャラ、あるいはキャラクター間での視覚的要素の伝達は以前から何となく興味のあるところで、下記関連記事にあるように昨年の私の報告では『BB戦士三国伝』の関羽ガンダムを例に説明していた(視覚的な知的財産の取り扱い方がよくわからなかったので、視覚的資料を用いず言葉だけで説明したが)。
※関連記事
三国志学会 第四回大会ノート1
漫画に限らない視覚的史料であれば、結構、『三国演義』関連の研究があるようで、私の知っている分だと、下記関連記事のような報告がある。
※関連記事
2006年7月29日「三国志シンポジウム」雑感2
三国志学会第一回大会ノート4
元々、明確な文字や言葉に比べ、視覚的史料の判別は難しそうだが、魅力的な題材に思える。三国漫画を見てみると、下記関連記事にあるような長野剛先生の発言から想像するに、多くの三国要素は『三国演義』を題材にした「連環画」に集束しそうだけど、当然、現代的に他の分野からの要素伝達や他の三国作品からの要素伝達が多数観測されそうだ。
※関連記事
赤兎馬Presents「三国志の宴3」第1部レポ
そうやって、いざ三国漫画を分析するのを想像するに、懸念されるのが、どういった事例を拾っていくかということだ。昨年の私の報告では元よりアクセス集計ありきで、その集計結果に見られる微分値や積分値の高い事例を主に取り上げていたので、選択に迷うことはなかった。私のことだから、そういう指針がなければ、特殊事例ばかり追いかけたり、分析全体が単なる事例集に陥ったりする恐れがありそうだ。
※追記。論文の一つの評価基準として、どれだけ他の論文からreference(参考論文)として引かれるかというのがあるが(参考された数÷参考した数だっけ?)、三国漫画(およびゲーム三国作品?)もどれだけ他の作品へそれ由来の要素が伝達するかを評価基準に使うってのをどうだろう…って絶対数が少ないので、難しいか。
こう書いていったものの、私には漫画の分析のノウハウがないんで、今の段階では単なる妄想だな。とりあえず今さらながら図書館から『マンガの読み方』(宝島社1995年)を借りてきて読んでいる(巻末を見ると、図版引用に「著者あるいは出版社等に許可を得ること」という「業界慣例」があるそうな)。あと下記サイトに告知のある2010年6月19日20日開催の「日本マンガ学会第10回大会」に一般参加してあれこれ動向を見ていきたいところ。
・日本マンガ学会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsscc/
※次記事
私的メモ3:三国志関連初心者向け
※追記
リンク:中国の連環画の変遷とその描写技法
※追記
日本における三国志マンガの翻案過程(2012年6月23日)
※追記
メモ:第6章 武侠漫画の映画的手法表現の成立をめぐって
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