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三国志学会 第四回大会ノート1
上記関連記事に添付したレジュメで触れたように、「三国志ニュース」のアクセスログに「捜神記 復活」という検索語句が見られる。これだと少なくとも『捜神記』に関する語句だとわかるが、大半は「復活 書き下ろし」等、あたかも「復活」と名付けられた漢文があるかのような検索語句となっている。これは漢文を取り扱う教科書でそういうタイトルが付けられたことが原因だと以前、下記にリンクする関連記事で記した際に気付いていた。
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「捜神記」で検索される訳
おそらく元々、『捜神記』にはそういったサブタイトルのようなものが無いのだけど、手元の電子文献で「復活」で検索すると『捜神記』巻十五の「晉武帝世」と「晉咸寧二年十二月」とのエピソードが出てくる。このどちらかが教科書中の「復活」なる漢文だと見なし、共に三国時代にかかってくる時期であるため(三国鼎立が崩れているので定義によっては含めないが)、三国要素を含む検索語句と見なしていた。
しかし、似たようなケースでそれが教科書由来の検索語句かどうか確認していないものがある。その代表的なものが(というより今、私が思い出せるものが)「魏武捉刀」という検索語句。「魏武」は曹操のことなので、「捉刀」で手元の電子文献を検索すると『世説新語』巻下之上 容止第十四(あるいは『裴子語林』)にある曹操が匈奴使にまみえる話が出てくる。ちなみにここの注に引かれる『魏氏春秋』に「武王姿貌短小、而神明英發。」というのがあって、曹操の背が低い元ネタに使われている。
今となって、それが教科書由来かどうか確認すべくネットにて「魏武捉刀」と検索すると、下記のサイト「全国漢文教育学会」にある「教科書本文データ集」を見かける。
・全国漢文教育学会
http://www.zenkankyo.gr.jp/
※リンクするのにいちいち報告する手間があるようなので、URLのみ。ここの「学術」→「教科書本文データ集」
対象となるデータは「文部科学省検定済み高等学校「国語総合」教科書(10社、20種類)」とのことで、網羅性を求めているわけではなさそうだが、ひとまずこれで教科書に使われる有名どころの漢文をおさえることができそうだ。ちなみに前述の「復活」は「晉武帝世」の方みたいだね。
※追記
漢字文化アーカイブ(大修館書店)
それで三国要素の含む漢文は下記の三つ。文献名、教科書中のタイトル、(改行して)掲載教科書を列挙する。
●『世説新語』 魏武捉刀
・『新編国語総合』(東京書籍)
●『世説新語』 前有大梅林
・『高等学校国語総合』(旺文社)
●『十八史略』 死諸葛生走仲達
・『国語総合』(教育出版)
・『国語総合』(筑摩書房)
・『精選国語総合古典編』(筑摩書房)
・『高等学校標準国語総合』(第一学習社)
・『高等学校新編国語総合』(第一学習社)
・『展開国語総合』(桐原書店)
●『捜神記』 復活
・『高等学校国語総合古典編』(三省堂)
・『新編国語総合』(三省堂)
<6/12参照追記>
・中国の文学と美学・於菟の世界
http://blogs.yahoo.co.jp/kadowaki1010/
・漢文と中国語-01 (※上記ブログ記事)
http://blogs.yahoo.co.jp/kadowaki1010/50587320.html
・漢文と中国語-02 (※上記ブログ記事)
http://blogs.yahoo.co.jp/kadowaki1010/50587344.html
・漢文と中国語-03 (※上記ブログ記事)
http://blogs.yahoo.co.jp/kadowaki1010/50587356.html
※追記
十八史略(2014年7月9日)
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アイディア:鑑賞会 追加分
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新脩 最新漢文讀本 第四册(1937年6月25日發行)
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