三国志を書こう(HRC文物文化国際旅行社)

 「三国志を書こう」という検索ワードが見え、一瞬、自らの創作物を歴史書と同名にすることに飽きたらず、歴史書と同名の偽史を記そうという動きか、と疑ってしまったが、どうやらそういうことではないようだ。

・HRC文物文化国際旅行社 NGO団体・書道などを通じ歴史的文化財保護・国際文化交流を運営。国内旅行・海外旅行
http://www.bunbutsubunka.com/

・三国志を書こう NGO団体・書道などを通じ歴史的文化財保護・国際文化交流を運営。国内旅行・海外旅行
http://www.bunbutsubunka.com/ngo/sangokushi/

 検索してみると、上記サイトの上記ページが出てくる。つまり「三国志を書こう」とは書を通じた日中交流の企画とのこと。2003年から2007年の間、4回、書が奉納されたという。

 それでこの企画の本筋とはあまり関係ないが、上記サイトの冒頭の文を引用すると

--引用開始---------------------------------------------------------
「三国志」で有名な諸葛孔明の丞相府跡、中国陝西省漢中市勉県に所在する武侯祠は開廟より1700年を超える中国最古の廟・武侯祠です。故に天下第一武侯祠と呼ばれています。
--引用終了---------------------------------------------------------

となっている。
 私は諸葛亮に関係することに馴染みがなく、単純に知らなかったんだけど、『三国志』蜀書諸葛亮伝に「景耀六年春、詔為亮立廟於沔陽。」とあって、紀元263年春、沔陽に諸葛亮の廟が立てられたことの記載があり、さらに注に引く『襄陽記』で経緯が書かれている。『中国歴史地図集』で場所を確認すると、確かに沔陽は今の勉県の近くにある、もしくは領域が重なっている。もちろん当時から現代まで何らかの変遷はあるんだろうね。
 あと「丞相府跡」というのも気になって、軽く伝世文献をあたって、『三国志』蜀書後主伝に「(建興七年)冬、亮徙府營於南山下原上、築漢・樂二城。」とか、『三国志』蜀書諸葛亮伝に「 建興元年、封亮武郷侯、開府治事。」とか見えたんだけど、場所を特定しようとすると時間がかかりそうなので、それ以上、文献に当たることを止める。
http://cte.main.jp/newsch/article.php/1235