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どうも、白崎です。
ヒザを壊して松葉杖生活です……。
端的にいうと、後漢・蜀漢は火徳。
魏・呉が土徳で、晋は金徳とされます。
もっとも、「蒼天すでに死す」を筆頭にこれに適合しない事例は多いのですが、
あまり真面目に考えるような代物ではないように思いますよ。
なにしろ、五行説そのものが非常にあやふやでいい加減なものですからね。
三国四朝の概要を述べますと、
後漢においては漢朝は火徳とされていましたから、
これを受けたとする魏・呉は土徳を主張します。
魏・呉の最初の元号がそれぞれ黄初・黄武であるのは、
「黄」が土徳の配色であるからですね。
これに対し、漢朝の正統は滅びておらず、
自分たちによって存続されているというのが蜀漢のスタンスです。
ですから国号が「漢」なら、五行の徳も火徳のままなのです。
もっとも、蜀漢は魏によって滅ぼされ、それとともにこの理論も否定されます。
漢に代わった魏にとって、漢が継続していたなんて絶対に認められませんからね。
そのため、魏はこの国を「漢」ではなく「蜀」と呼びます。
やがて魏は司馬氏によって乗っ取られ、土徳を継いだ金徳の晋が誕生します。
晋は魏と同じく土徳を主張した呉も滅ぼして天下を統一しますが、
晋の天命は魏から受けついだことになってますから呉の土徳は認めません。
◎資料
・後漢末までの五行説の変遷
『中華文明の誕生』(尾形勇/平勢隆郎)の
「本書前半をひもとく前に」の解説が非常に分かりやすいです。
・三国以降の五行の徳
『三国志の世界』(金文京)に図が載ってます。
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