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【3650】曹操から曹植に下賜された馬の名前? 青木朋 2010/10/26(火) 1:10 教えて

【3651】Re:曹操から曹植に下賜された馬の名前? 清岡美津夫 2010/10/26(火) 12:09 お答え
┣ 【3653】Re:曹操から曹植に下賜された馬の名前? XiaoQ 2010/10/26(火) 22:41 初心者質問
┃┗ 【3654】『古今図書集成』 清岡美津夫 2010/10/27(水) 0:15 多分…
┃┗ 【3655】Re:『古今図書集成』 XiaoQ 2010/10/30(土) 21:03
┃┗ 【3656】Re:『古今図書集成』 清岡美津夫 2010/11/2(火) 13:02 雑談
┗ 【3657】Re:曹操から曹植に下賜された馬の名前? 青木朋 2010/11/4(木) 12:45 感謝♪
┗ 【3659】Re:曹操から曹植に下賜された馬の名前? 清岡美津夫 2010/11/5(金) 0:59 雑談
┗ 【3726】Re:曹操から曹植に下賜された馬の名前? 里斎 2012/11/18(日) 14:29

【3651】Re:曹操から曹植に下賜された馬の名前?
お答え  清岡美津夫 E-MAILWEB  - 2010/10/26(火) 12:09 -

引用なし
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   ▼青木朋さん:
>話題提供というか、ちょっとした時間つぶし的な質問です。
>
>中国語のサイトで、名馬の名前を検索していたら、
>
>《魏志》陳思王表文帝曰:“臣于武皇帝世得大宛紫[馬+辛]馬一匹、教令習拝。
>
>という文章に巡り合ったのですが、出典が分かりません。
>正史三国志では無いようなのですが・・・?(ネットで全文検索してみただけです。汗)
>お分かりの方がおられましたら、ご助言ください。

こんにちわ。
手元の電子文献にて「得大宛」で検索してみると『三国志』にも念のために『晋書』にも出てきませんでしたので、ピンと来て『太平御覧』で検索してみると、出てきました。

『太平御覧』卷八百九十四 獸部六 馬二
(『魏志』曰)
 又曰:陳思王表文帝曰:「臣於武皇帝世得大宛紫〓馬一匹、形應圖法。善持頭尾、教令習拜。今已能拜、又能行與鼓節相應。謹以奉獻。」

ちなみに『[#?太平御覧]』はこういう感じで百科事典的に項目ごとに分かれて、時代順に文献の記述が並んでいますので、個人的には必要に応じて特定の項目を眺めたりすることがあります。

現行の『三国志』には載ってないのに、『太平御覧』で引かれている場合があるということは下記のツリーで知りました。
[#T1617]

【3653】Re:曹操から曹植に下賜された馬の名前?
初心者質問  XiaoQ  - 2010/10/26(火) 22:41 -

引用なし
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   こんにちは。
横から失礼します。

中国の人から教えてもらった
「電子版 古今圖書集成」
(ttp://140.128.103.128/chinesebookweb/home/index.asp)
で検索してみると《献馬表》曹植というのがヒットしました。

「古今圖書集成」自体が何なのか分からないまま愛用してます。
『太平御覧』とは違うものなんでしょうか。

お邪魔しました。

【3654】『古今図書集成』
多分…  清岡美津夫 E-MAILWEB  - 2010/10/27(水) 0:15 -

引用なし
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   ▼XiaoQさん:
>中国の人から教えてもらった
>「電子版 古今圖書集成」
>(ttp://140.128.103.128/chinesebookweb/home/index.asp)
>で検索してみると《献馬表》曹植というのがヒットしました。
>
>「古今圖書集成」自体が何なのか分からないまま愛用してます。
>『太平御覧』とは違うものなんでしょうか。

こんばんわ。
そのようなサイトがあるんですね、知りませんでした。
教えて下さってありがとうございます。

そこのサイトに「中華文明百科全書」というコピーみたいな文言が添えられてますし、やはり読んで字の如く古今の図書を集めたものなんでしょうかね。今回の馬の箇所をみた限り、出典がちゃんと明記されていないのが気になりました。
件のサイトでの検索結果のページに「版面影像」というリンクがあるんですが、それを辿ると画像が出てきて、そこに「古今圖書集成」「中華書局」という文字が見え、『古今圖書集成』という書籍を元に件のサイトが作られていることがわかりました。

現行の中華書局のサイト http://www.zhbc.com.cn/ にて簡体字で書名を検索しても引っかからないですが、日本の古本屋 http://www.kosho.or.jp/ やNACSIS Webcat http://webcat.nii.ac.jp/ にて検索するとそれっぽい書籍が出てきますね。
そこで清代の陳夢雷や蒋廷錫という名前がキーワードとして出てきます。
それを頼りにすると下記論文に行き着きました。

大渕 貴之「蒋廷錫による『古今図書集成』挿図の改編について : 日本内閣文庫所蔵『古今図書集成図纂』を手がかりとして」(中国文学論集 38, 77-91, 2009-12-25)
http://hdl.handle.net/2324/16515

それの冒頭部分を読むと、『古今図書集成』一万巻(巻数は件のサイトと同じ)の原撰者は陳夢雷とのことで、従来、編纂者と信じられてきた蒋廷錫は『古今図書集成』のどこに関わってきたか、ってのが論文の主旨のようです。

【3655】Re:『古今図書集成』
 XiaoQ  - 2010/10/30(土) 21:03 -

引用なし
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   清岡美津夫さま:

そうなんです、いつも出典がどこなのか?とグルグル探し回って迷子になってしまうサイトなんです・・・
ここで以前に
《典略》:曹操殺楊修曰:芳蘭當門不得不除。
という引用を見つけてからずっと、どういう本なのか気になってたました。

しょうもない質問に詳しくお答えいただいて恐縮です。
ありがとうございました。

【3656】Re:『古今図書集成』
雑談  清岡美津夫 E-MAILWEB  - 2010/11/2(火) 13:02 -

引用なし
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   こんにちわ。

▼XiaoQさん:
>そうなんです、いつも出典がどこなのか?とグルグル探し回って迷子になってしまうサイトなんです・・・
>ここで以前に
>《典略》:曹操殺楊修曰:芳蘭當門不得不除。
>という引用を見つけてからずっと、どういう本なのか気になってたました。

私はむしろ、こちらの方がどういう経路での引用文なのか、気になりました(笑)
(ちなみに、今、私のところからは件のサイトへはアクセスできなくなっています)

「芳蘭當」を手掛かりに軽く探してみると、似たような文が一種二文献で見かけましたが、共に無関係でしょうかね。何の根拠もない妄想的な第一印象ですが、尊劉貶曹な後世の人が書き替えたのかと思いました。

・『太平御覧』巻九百八十三 香部三 槐香

『蜀志』曰:先主殺張裕、諸葛亮救之。先主曰:「芳蘭當門、不得不鋤。」

・『藝文類聚』巻八十一 蘭

蜀志曰.先主殺張裕.諸葛亮救之.先主曰.芳蘭當門.不得不鋤.

【3657】Re:曹操から曹植に下賜された馬の名前?
感謝♪  青木朋  - 2010/11/4(木) 12:45 -

引用なし
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   丁寧な解答ありがとうございました!
遅レスすみません。
なんだか程好い話題提供にもなったようで、「古今圖書集成」の話も勉強になります。

>『太平御覧』卷八百九十四 獸部六 馬二
>(『魏志』曰)
> 又曰:陳思王表文帝曰:「臣於武皇帝世得大宛紫〓馬一匹、形應圖法。善持頭尾、教令習拜。今已能拜、又能行與鼓節相應。謹以奉獻。」

この漢文の意味が完全には理解できなのですが、もしお暇でしたらお教えください。汗
分からないなりの訳文は↓

曹植が曹丕に出した表にいわく、「私が曹操の御世に手に入れた大宛紫[馬+辛]馬一匹は、形は図法にかない、頭から尾まですぐれていて、教えたことはすぐ習得します。今、陛下に拝謁がかない、謹んで献上いたします。」
(はい、「又能行與鼓節相應」の部分の訳がありませんね。汗)

スレッドの題を「曹操から曹植に下賜された馬の名前?」にしましたが、それ自体まちがっていたかなと、穴に逃げ隠れる準備をしております。。。

【3659】Re:曹操から曹植に下賜された馬の名前?
雑談  清岡美津夫 E-MAILWEB  - 2010/11/5(金) 0:59 -

引用なし
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   ▼青木朋さん:
>>『太平御覧』卷八百九十四 獸部六 馬二
>>(『魏志』曰)
>> 又曰:陳思王表文帝曰:「臣於武皇帝世得大宛紫〓馬一匹、形應圖法。善持頭尾、教令習拜。今已能拜、又能行與鼓節相應。謹以奉獻。」
>
>この漢文の意味が完全には理解できなのですが、もしお暇でしたらお教えください。汗
>分からないなりの訳文は↓
>
>曹植が曹丕に出した表にいわく、「私が曹操の御世に手に入れた大宛紫[馬+辛]馬一匹は、形は図法にかない、頭から尾まですぐれていて、教えたことはすぐ習得します。今、陛下に拝謁がかない、謹んで献上いたします。」
>(はい、「又能行與鼓節相應」の部分の訳がありませんね。汗)
>
>スレッドの題を「曹操から曹植に下賜された馬の名前?」にしましたが、それ自体まちがっていたかなと、穴に逃げ隠れる準備をしております。。。

こんばんわ。

あと、ほぼ同じ文を別の所から見かけました。

『藝文類聚』巻九十三 獸部上 馬

【表】魏陳王曹植獻文帝馬表曰.臣於先武皇帝世.得大宛紫[馬辛]馬一疋.形法應圖.善持頭尾.教令習拜.今輒已能.又能行與鼓節相應.謹以奉獻.


それで訳の方ですが、自分なりに訳すと次のようになりました。

『太平御覧』卷八百九十四 獸部六 馬二
(『魏志』曰)
 又曰:陳思王表文帝曰:「臣於武皇帝世得大宛紫[馬辛]馬一匹、形應圖法。善持頭尾、教令習拜。今已能拜、又能行與鼓節相應。謹以奉獻。」

また『魏志』に言う。陳思王が文帝に表して言う。
「臣(わたし)は武皇帝の世代に於いて大宛の紫[馬辛]馬一匹を得て、形は図法に従いました。善く頭尾を保ち、教令し習授しました。今、すでによく馴れており、またよく行き鼓節に従い、あい応じます。謹んで奉献いたします」

「節」に「やむ、とまる」という意味があるので、「鼓節」は「鼓進」(太鼓を打ちならして進む)のように、動詞として用いるのかな、とも思ったんですが、そういう用例が他に見あたらなかったので、普通に鼓と節の意味で用いました。あと「形應圖法」にしても「形法應圖」にしてもよくわからないです。

【3726】Re:曹操から曹植に下賜された馬の名前?
 里斎  - 2012/11/18(日) 14:29 -

引用なし
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   どこにレスすればいいかわからなかったので、スレッド表示の一番下の書き込みに下げておきます。

『藝文類聚』
『太平御覧』
『古今圖書集成』
の三種の書物は、いずれも同じジャンルのもので、「類書」と言い、今の「百科事典」に相当します。
ただし、今の百科事典の編纂方法とは異なり、一物に関する記事を、先行する様々な文献からそのままコピーして載せているので、既に失われた書物や、現在伝存するものとは異なるバージョンの記事が見付かることがあり、古典を研究する上では欠かせない基本文献です。

曹操の時代に入手した、とあるのみで、下賜かどうかは書かれていません。が、下賜であればそう書くと思うので下賜ではないでしょう。

「鼓節」の「節」は「拍節」「節奏」の「節」で、「リズム」の意味です。太鼓のリズムに合わせて進むことができた、という意味で、これは軍馬として調教を受けていることを示すのだと思います。(軍は太鼓の合図で行軍するので)

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